壱岐の華、消毒用の酒販売 酒税免除の発表受け
長崎県の焼酎メーカー、壱岐の華は、新型コロナウイルスの感染拡大によって需要が逼迫(ひっぱく)する手指消毒用エタノールの代替品として、高濃度アルコール製品の出荷を11日から始めた。これまでは消毒目的であっても酒税が課されていたが、1日に国税庁が酒税を免除すると発表した。これを受け酒税を含まない価格で医療機関などに供給していく。
国税庁の発表を受け、「壱岐の華 アルコール62%」=写真=の供給を開始することとした。本格焼酎(壱岐焼酎)主原料としている。500ml入りで、販売価格は税抜き900円。酒税を含まない価格で供給するため、従来のスピリッツの6割程度の価格で供給できるという。
連絡を受けた医療機関や福祉施設に直接供給する。問い合わせは壱岐の華本社まで(電話=0920・45・0041、FAX=0920・45・1855)。
一般向けの販売は飲用目的の可能性もあることから、従来通り酒税を含んだ高濃度アルコールのスピリッツとして販売する。
これまでは酒造会社が製造する高濃度アルコール製品には消毒目的であってもアルコール度数に応じた酒税が課されていた。
全国の酒造会社で高濃度アルコール製品の製造が始まり、免税の対応を求める声が上がる中、国税庁は1日に「不可飲処置が施された高濃度アルコール製品」に関して、酒税を課さないことを発表した。販売に当たって、従来の高濃度スピリッツ製品とは異なり、ラベルに「飲用不可」の表示が必要となる。(岡朋弘)