スイーツで障がい者の収入増へ 広告会社とパティシエがコラボ
障がい者を取り巻く課題解決の新たな動きが始動した。広告制作会社の原宿サン・アドは、クリエーティブの力で社会課題の解決に取り組む新規事業として、パティシエの辻口博啓氏とコラボし、「みんなにおいしいプレミアムスイーツ=Lashisa(らしさ)」事業を開始すると19日に発表した。
「Lashisa」は、障がい者の社会参加を支援する就労支援施設(授産所)における賃金向上という社会課題の解決を目指す。「日本スイーツ協会」代表理事の辻口博啓氏の監修の下、糖質オフでグルテンフリーなのに本格的な味わいが楽しめる高付加価値なプレミアムパウンドケーキを開発し、渋谷区内で唯一の就労継続支援A型事業所「渋谷まる福」に製造を委託する。
パッケージは、原宿サン・アドのクリエイターが手掛ける。販売は、ECサイト(https://lashisa.shop-pro.jp/)で行う。高付加価値な製品の開発・販売を通じて、授産所の賃金向上に貢献する。

辻口氏監修のプレミアムケーキは、従来の糖質オフ&グルテンフリー製品の概念をくつがえす圧倒的なおいしさを徹底して追求。大豆主原料のミックス粉を使用し、1食(30g)当たりの糖質平均10g以下を実現。さらに、グルテンフリーを実現した。
原材料の配合バランスにこだわり、大人も満足できる、しっとりとした口どけと奥深い上質な味わいを実現。「苺&クランベリー」「ヘーゼルナッツ&アプリコット」「コーヒー&くるみ&いちじく」の3品をラインアップし価格は、1本2700円(税込み)。
厚生労働省の推計で、日本の障がい者の数は約936万6000人。多くの人たちが全国に存在する共同作業所や小規模授産施設で働くが、平均月給は低い水準にある。内閣府の調査では、就労継続支援A型事業所利用者の賃金の平均月額は7万2000円と低水準にある。
この社会課題解決のため、これまでも、ヤマト運輸創業者の故・小倉昌男氏がパン企業スワンを設立し、300人を超える障がい者を雇用、月給10万円以上を実現するなどの取組みが存在する。