日本の水産エコラベル認証制度が世界基準に 欧米市場への輸出機会が拡大へ

分厚い申請書類を見せGSSI承認へ至る経緯を説明するマリン・エコラベル・ジャパン協議会の垣添直也会長

分厚い申請書類を見せGSSI承認へ至る経緯を説明するマリン・エコラベル・ジャパン協議会の垣添直也会長

魚種、漁法、加工・流通、食文化と多様性のある日本の漁業管理の手法を世界が認めた。基準適合の漁業にエコラベル表示を認める環境管理手法の水産エコラベル認証制度について審査・承認する民間国際機関GSSI(世界水産物持続可能性イニシアチブ)の理事会は13日、日本の水産エコラベル認証制度であるマリン・エコラベル・ジャパン(MEL)がFAO(国連食糧農業機関)の「責任ある漁業のための行動規範」「水産エコラベルのためのガイドライン」に準拠すると承認した。

GSSIの承認によって、日本のMEL認証は水産エコラベルで世界9番目の国際認証となった。日本の水産物・水産加工食品もMEL認証を取得すれば、取扱品目に国際認証の取得を求める機運が高まる欧米市場への輸出の機会が広がる。

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の食材調達基準を満たすことになり、選手村など大会施設での提供が可能になる。

分厚い申請書類を見せGSSI承認へ至る経緯を説明するマリン・エコラベル・ジャパン協議会の垣添直也会長

MELは漁業規格Ver.2・0、流通加工規格Ver.2・0、養殖規格Ver.1・0の三つの認証からなる。漁業規格Ver.2・0では北海道漁業協同組合連合会の「北海道秋鮭定置網漁業」と福島県漁業協同組合連合会の「まき網漁業(マサバ、ゴマサバ)」の二つの漁業を、流通加工規格Ver.2・0では東町漁業協同組合(鹿児島県)の「養殖ブリ加工製造品」など11の漁業を、養殖規格Ver.1・0ではヨンキュウ(大分県)の「陸上養殖(マダイ種苗生産)」など11の漁業を、日本適合性認定協会が認定する認証機関の日本水産資源保護協会を通じて11月末までに認証している。

MELを運営するマリン・エコラベル・ジャパン協議会と水産庁は、GSSIの承認公表に先立ちGSSI事務局から承認予定の一報を受けた。12日、同協議会の垣添直也会長が「6000の島々、大小5000の河川、地域に根付いてさまざまな文化を継承する6000を超える漁業集落を持つ多様性を強みとした日本発の世界が認める水産エコラベルを目指した」とGSSI承認へ至る経緯を報道陣に説明した。

また、認証機関の圧倒的な不足が今後の課題として「審査員を育成して審査能力の質と量を高める必要がある」と語った。

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