19年度アイスクリーム市場、5000億円台堅持も更新足踏み 天候要因、増減を左右

日本アイスクリーム協会が23日に発表した19年度(19年4月~20年3月)アイスクリーム販売実績は、メーカー出荷ベースで前年比0.7%減の5151億円となった。11年度以降、7年連続で1128億円の市場拡大を果たしてきたが、前年度は7月の天候不順が35億円のマイナス影響となり、記録更新に足踏みがかかった。しかし下期は暖冬もあり売上げを挽回、3年連続でトータル5000億円台規模を堅持している。新型コロナウイルス感染症の影響を受け、特に業務用商品は大幅なダウンが続いているが、アイスクリームそのものの価値伝達や新たな喫食シーンの掘り起こしなどが、再拡大の鍵を握りそうだ。(小澤弘教)

19年度春先は低温の影響もあり前年並みで推移。夏は関東甲信地方で25日遅くなるなど梅雨明けが遅れた。7月には東・西日本を中心に気温が低く、日照時間も短い不順な天候が続いたことで、単月では前年比で20%を超える売上げダウンとなった。8月以降は自然災害が頻発したものの売上げは順調に推移し、下期に入ると暖冬傾向で安定した売上げ推移となった。種類別には、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスが前年を下回ったものの、氷菓が微増。下期は全種類で前年比3.8%増と上回った。販売物量は1994年以来90万klを超えて推移してきたものの、前年比5.9%減の87万4479klで着地。結果的にリッター単価が上昇し、初めて580円台に乗った。高単価商品の市場投入と定着、一部商品の価格改定、リッター単価の高い下期ウエートがアップしたことが要因とみられる。

形態別の伸長率では、販売金額で「その他一般」に含まれる従来の形態にとらわれない商品が継続的に伸長傾向。次いでワンハンドで食べやすい「モナカ」や、家庭での買い置き需要が定着した「マルチタイプ」が伸びている。販売物量では「その他一般」「モナカ」は販売金額と比例して物量も伸長しているが、「プラカップ」が氷系商品に加え、新しい商品が増えたことで伸長、「マルチタイプ」は金額増・物量減となった。「紙カップ」「スティック」「コーン」は単価アップはあるものの、金額・物量ともに減少した。

迎えた20年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中でスタートしたが、引き続き高付加価値商品の効率的な市場への供給や、主力商品の強化、新たな食べ方提案による喫食シーンの掘り起こしなどが再成長への重要な柱となりそうだ。2月以降は外食産業向けなど業務用商品が大幅ダウンするなど苦境に面しているが、「この苦境だからこそ、食べると自然に笑顔になってしまうアイスクリームの力」(牛膓栄一日本アイスクリーム協会会長)を業界全体でいかに発揮していくかが重要とみられる。

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