ドロキア・オラシイタ、専用トレーでセット販売強化 “食べ歩き”新需要創出を

軽くて丈夫な専用トレーで売上げアップ

軽くて丈夫な専用トレーで売上げアップ

チーズタルト専門店「PABLO(パブロ)」を運営するドロキア・オラシイタ(大阪市)は、チーズタルトとドリンクを一緒に提供できる新型トレーの試験導入を開始した。外国人観光客の増加や軽減税率の影響で高まるテークアウトニーズにいち早く対応し、『ワンハンドグルメ』として客単価向上を狙う。資材を供給するのはクラウン・パッケージ(愛知県小牧市)。エコで丈夫な超極薄段ボール「マイクロフルート」を使用し、日本ではなじみの薄い“食べ歩き”という新たな食シーンの創出を図る。(涌井実)

ドロキア社がパブロで導入したのは、直径約6.5cmのチーズタルト「パブロミニ」とドリンクを一緒に提供できるトレー。ドリンクホルダーを拡張し焼きたてチーズタルトを入れて片手で簡単に持ち運べるようにした。

客単価向上を目的に、ドロキア側がクラウン・パッケージに新しいタイプの資材制作を依頼。「パブロのコーヒーは豆から厳選したこだわりの逸品。ドリンク類はチーズタルトに合うように設計されているので、ぜひ一緒に味わってほしい」(青木康正MD部長)という思いもあった。

こだわったのは強度とデザイン。クラウン・パッケージからは1週間で5点ほどのサンプルが届き、条件に合致した1点に絞り込んだ。10~20代の女性をターゲットに据え、ロゴや文字の配列などを工夫した。SNS映えも意識した。「当初は2色刷で考えていたが、使用する紙の変更をご提案いただき、墨一色で制作できるようになった。コスト面で大きなメリットがあった」(同)。店頭で簡単に組み立てられる設計も評価のポイントになった。

資材に使用したマイクロフルートは、段の高さが0.5mmほどの超極薄段ボールのこと。空気層を含む3層構造で熱を伝えにくく保温・保冷に優れ、惣菜や冷凍食品などのパッケージに適している。一枚構造の板紙に比べて丈夫で強度がある。

新トレーは9月から東海エリアの3店舗(名古屋サカエチカ店、イオンモール大高店、イオンモール長久手店)で試験導入した。例年9月は8月に比べてドリンク売上げが減少するが、新トレー導入店は売上げが伸びた。チーズタルトとドリンクのセット販売が好調だった。スタッフや消費者からの評判も良く、店舗の売上げアップに貢献。一方、トレー未導入店はセット販売が2桁減だった。

店舗運営を統括する営業企画管理部の乾晋作部長は「導入店舗では一定の効果が得られた。大阪の心斎橋店やなんばCITY店はインバウンドを含めて食べ歩き利用が多いので、11月以降は導入店舗を拡大してさらに検証を重ねたい」と手応えを示す。「弊社で展開している他のブランドでも形状を変えて導入する可能性はある。エビデンスが固まり次第、加盟店にも提案していきたい」と抱負を語った。

ドロキア・オラシイタは大阪市に本社を構える洋菓子の製造・販売、カフェ・レストランの経営を行う企業。12年3月の設立以来、急速に業績を伸ばしている。チーズタルト専門店「PABLO(パブロ)」をはじめ高級食パン専門店「嵜本」、ガトーショコラ専門店「MaJOLIE(マジョリ)」など5ブランドを展開する。特にパブロは国内外で42店舗(16日現在)を展開する同社の看板事業。

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