食品輸出、清涼飲料右肩上がり イスラム圏への動きも
日本の清涼飲料水の人気が世界で高まっている。輸出についても右肩上がりで、増加傾向にある。大阪税関の調べによると、2020年の全国の輸出量は、前年比15%増の14万5200kl、輸出額については12%増だった。10年前に比べて、3倍の水準になっている。
専門家によると、増加の背景にあるのは新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う巣ごもりによって「インターネットやSNSなどで、日本の飲料への関心の高まりが増している。通信販売などで取り寄せるなどの動きがあったことで、自宅にいながら飲用する場面もあったのではないか」と分析する声も聞こえる。
一方で、イスラム圏におけるハラール認証を受けた飲料の輸出も拡大傾向にある。
このうち、柑橘類の卸売と加工販売をしている「丸松」(広島県尾道市)は昨年冬にハラール認証を取得した。きっかけは、マレーシアで日本食を扱う日系企業からの同社へのジュースの出荷の依頼だった。「イスラム教を信仰する人口の多さ、商品を知ってもらうチャンスは大きい」と濱野光展取締役本部長は話す。マレーシア以外にシンガポール、UAEなどからは商品に関する問い合わせが来ているという。
NPO法人日本アジアハラール協会(千葉市)によると、これまでにユズ、ナシ入りのジュースなどをハラール製品として認証した経験を持つ。ハラール認証に携わる同協会監査員のラビヤ・ママット氏は「信頼性の高さ、日本国内の管理がしっかりしている部分が評価を受けている」とした上で「ハラール認証を受ける商品は増える傾向にある」と説明している。(渡辺正大)