新型コロナ:シドニー 東京マートは現金不可 ウイルス付着予防
オーストラリア最大の日本食スーパーマーケット東京マートは、店員・来店客の新型コロナウイルス感染予防策として、1.5m以上のソーシャル・ディスタンス(社会的距離)と「現金支払い不可」の実施に取り組んでいる。
8日、同店の入店待ち客は1.5~2mの間隔を空け前を向いて静かに並んでいたが、誰かが振り向いたり、大声で話をし始めると皆一歩離れるという具合。店内に一度に入れる人数は最大10人で、1人出ると1人入ることができる。店の中ではすれ違わないよう気をつけ、向かいに人がいると方向転換するなど、各自が感染を強く意識していた。
東京マートが現金を扱わないのは、お札やコインにウイルスが付着している可能性があり、現金の受け渡しの際に店員と客の距離が近づくから。客側にクレジットカード処理端末機を置き、本人がクレジットカードやデビットカード(EFTPOS)を近づけるだけで済むようにした。
ノースシドニーにある東京マートは、日本食材と日本の雑貨を扱っている。野菜や魚の冷凍食品、漬物などの品揃えが豊富で、大手メーカーの醤油・味噌、調味料やお菓子から地方の逸品も取り揃えている。日本酒のラインアップも多彩で、豪州産のコメとは品質も味も違うとして、日本産米を求めて来店する客も多い。シドニー在住の日本人はもとより現地人にも人気だ。
オーストラリア(豪)のロックダウン開始は3月23日。豪政府は、ロックダウンは6月末までは続くと国民に伝えている。食料品店、ドラッグストア、病院など生活に必要不可欠なところは、介助者などを除き、世帯1人の外出を認めている。
また、ソーシャル・ディスタンス(1.5m以上)を厳守すれば、外でエクササイズをしたり、散歩をしたりできる。ほとんどの人は、そうした制限の必要性を認めて正しい行動をとっているものの、一部、勝手な行動をとる人たち(特に若い人たち)もいるため、政府は違反した場合に罰金や刑務所行きになることも発表している。(山田由紀子)