中央酪農会議、新たに牛乳消費拡大策「MILK JAPAN」スタート
中央酪農会議(中酪)は10月10日から、「牛乳に相談だ。」に続く牛乳飲用促進キャンペーン「MILK JAPAN」を新たにスタートする。子育て中の30代母親をターゲットに、子どもやママ友同士のコミュニケーションに牛乳が参加する、新しい社会的な“運動”として盛り上げる考えだ。活動を通じて飲用習慣の増加を図り、最終的には牛乳の消費拡大を目指す。
中酪は05年から「牛乳に相談だ。」で、中高生を対象に飲用促進キャンペーンを展開してきた。TVCMや雑誌の広告掲載を中心に活動を行い、認知度や親和度は上がったが、一方的な情報発信で消費者とのコミュニケーションが図れず実質的な消費拡大にはつながらなかった。
「MILK JAPAN」は、「牛乳に相談だ。」の成果と課題をもとに、新たに3年間の消費拡大キャンペーンとして展開する。前回同様に酪農家から拠出金を集め1年間で6億円を投じる。今回は、草の根運動型の“広さ”と、地域間での双方向コミュニケーションによる“深さ”を掛け合わせ、より牛乳の実需につなげる考えだ。
中酪が調査した牛乳消費量減少要因の一つに、若い母親ほど家庭内の牛乳常備率が低いことがわかった。一方、若い母親が育てる子どもは、牛乳の消費量が自然に増える成長期の幼児や小学生だ。牛乳を家族の生活に再び根付かせるために、30代の母親世代を主ターゲットとした。
関心を引きつけるため、若い母親の身近な生活課題である子育ての悩み解決につながるコンテンツを提供。信頼できる酪農家とママ友を情報発信源として、ママ独自のコミュニティに牛乳の新しい価値を広げていく。
具体的には、10月10日には東京・有楽町をメーンに全国9ヵ所で「MILK JAPAN」キックオフイベントを実施し、全国300ヵ所の牧場で酪農体験ができるオープンファームを集中展開。また、複数のキャラクターをデザインし絵本やテレビ番組を製作。レシピ提供やすごろくゲームができる「ケータイサイト」開設など、さまざまなツールを提供し親と子の豊かな結びつきを創り出していく。
8月25日の記者発表会で門谷廣茂専務理事は「牛乳で日本を元気にし、活力を与えたいという酪農家の熱い思いを伝えていきたい」と意気込みを語った。牛乳を通じて社会全体を活性化し、酪農業の持続的な成長の確立を目指す。
(山本大介)