胃心伝真=表と裏の500円
新橋-虎ノ門間に開通した新虎通りができる前のことだ。もう今は閉店してしまったが、会社から徒歩1、2分の距離に昼間は普通の酒屋、夜は居酒屋という2毛作型の店が東京都港区西新橋にあった▼その居酒屋のメニューが独特だった。メニューには「表と裏」があって、生ビールやサワーなど酒類が表で1杯、裏で1杯、裏表同じ酒でも違う酒でも注文可能で、計2杯に簡単なつまみがついてワンコイン500円。安さと気軽さでにぎわっていた。どことなく「表と裏」という言葉の響きもサラリーマンにとって琴線に触れる