第57回食品産業功労賞/第33回食品安全安心・環境貢献賞 未来開く功績と貢献祝う

総合 ニュース 2024.11.08 12850号 01面
石破茂内閣総理大臣

石破茂内閣総理大臣

小里泰弘農林水産大臣

小里泰弘農林水産大臣

食品産業センター 堀切功章会長

食品産業センター 堀切功章会長

日本食糧新聞社 代表取締役会長CEO 今野正義

日本食糧新聞社 代表取締役会長CEO 今野正義

 第57回食品産業功労賞と第33回食品安全安心・環境貢献賞の贈呈式・交流会が5日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれた。さまざまな分野で食品業界の発展に貢献した受賞の17氏、社会貢献や環境保全で大きな成果を挙げた受賞2企業をたたえた。食品界の有力者や政・官・学から約300人が受賞を祝うために参集した。石破茂内閣総理大臣が祝電を寄せ、小里泰弘農林水産大臣、山東昭子参議院議員・前参議院議長、齋藤健衆議院議員・前経済産業大臣・元農林水産大臣、宮下一郎衆議院議員・元農林水産大臣が祝辞を述べたほか、片山さつき参議院議員、消費者庁の新井ゆたか長官、農林水産省経営局の杉中淳局長も駆け付けた。=13日付に詳報(本宮康博、山本仁、吉岡勇樹)

 ◆祝電

 石破茂内閣総理大臣 知恵生かし食文化継承へ

 本日は第57回食品産業功労賞、第33回食品安全安心・環境貢献賞の式典が盛大に開催されますこと、誠におめでとうございます。

 受賞された皆さまには心からお祝いを申し上げるとともに、皆さまの尽力に心の底から敬意を表します。「食品産業功労賞」は今年度より「国際・食文化部門」が創設されました。和食に使われている「味噌、醤油、酢、みりん、酒」はすべて発酵食品です。日本の風土や生活環境が生かされた先人の知恵が詰まった発酵食品は日本が世界に誇れる日本特有の食文化でもあります。

 21世紀は日本の人口が半減し、世界の人口が2倍になる時代です。安全・安心な食品の担保はたやすいことではありませんが、日本の食文化を次の世代へ継承するとともに、海外へ発信していくために真剣に取り組まなければならないと考えています。

 皆さまの各分野における長年の積み重ねた知恵を借り、日本の食品産業がさらに発展していくことを祈念し、お祝いの言葉とします。

 ◆祝辞

 農林水産大臣 小里泰弘氏 持続的発展に注力

 農林水産業と食品産業は、ともに食料の安定供給という役割を果たすとともに、地域の経済と雇用を支える重要な産業です。最近では外国人観光客が急増し、多くの方々が日本食を楽しみにしており、食品産業の皆さまが提供する食とサービスは世界からお客さまを引きつける日本の大きな魅力となっています。本日受賞の皆さまにおかれては、わが国食品産業の発展に多大な尽力をいただいてきたことにあらためて心から敬意と感謝の念を表します。

 昨今、世界的な食糧情勢の変化に伴う原材料価格の高騰や気候変動、海外市場の拡大など食の状況が大きく変化しています。これを踏まえ、先の通常国会では約四半世紀ぶりに食料・農業・農村基本法が改正され、新たに「食料安全保障の確保」が基本理念として明記されました。そのためには生産から消費に至る食料システム全体が、持続的に発展していくことが重要です。

 農林水産省では各地の農林水産業と食品産業との連携や、環境負荷低減の取組み促進など、食料システムの持続性確保に向けた施策を今後ともしっかりと講じてまいります。

 ◆業界代表祝辞

 食品産業センター 堀切功章会長 より一層力添えを

 食品産業功労賞を受賞されました17人の皆さまは環境の変化に応じつつ、新たな商品開発や卓越したマーケティングによって市場開発、ブランドの創造や価値向上、機械機器の研究・開発、また流通や外食・中食における新たな展開、さらには食文化の世界への発信など食品産業の多用な分野で活躍をしてこられました。食品安全安心・環境貢献賞を受賞された2社は災害非常用浄水システムの開発と普及、油回収技術の確立と外食での採用に取り組まれ、安定した食の供給やサステナビリティの模範です。

 政府では食料・農業・農村基本法の改正を踏まえ、食料システムの持続性確保に向けた、食品事業者の取り組みの促進を図る法制度について、来年の国会提出を視野に検討されていると聞いています。大きな環境変化の時代こそ受賞者の皆さまの知見、功績に学んで消費者、社会に必要とされる食品産業の展開が必要だとあらためて感じました。引き続き業界のリーダーとしてより一層のお力添えをいただきますようにお願い申し上げます。

 ◆ごあいさつ

 日本食糧新聞社 代表取締役会長CEO 今野正義 偉業と熱意に賛辞

 「食品産業功労賞」は農林水産省の支援と後援で日本食糧新聞社が制定、今回で57回を数える顕彰制度です。今回、新設の「国際・食文化部門」を加え17人が受賞となり、受賞者総数は延べ724人となりました。受賞の皆さまは各分野で「地図のないドラマ」を演じ、「楽しみを待ちわびる」 未来の市場に「夢の苗木」を植えて育て、その「苗木」は「産業の新価値」「生活や産業活性化」など「花となり」「実となって」育っているものと存じます。偉業と足跡に拍手賛辞を贈ります。

 また本日同時顕彰の「食品安全安心・環境貢献賞」は今回も農林水産省、環境省の後援をいただきました。この賞も平成5年、日本食糧新聞創刊50周年記念に制定され、今回33回目となり、延べ126社への贈呈です。

 本日受賞の2社は企業の社会的責任をそれぞれの分野や部門で開花され、強い熱意と社会的責任感に賛辞と祝意を贈ります。さらに輝く存在感を発揮するよう期待を申し上げます。

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