ポッカサッポロフード&ビバレッジ、スープ事業革新 「スナッキングフード」提案を

スープ ニュース 2020.08.07 12093号 01面
5日の説明会は初のオンライン開催、征矢真一社長(左)は「スープならなんでもやる」と挑戦姿勢を示した。(右)は黒柳伸治事業部長

5日の説明会は初のオンライン開催、征矢真一社長(左)は「スープならなんでもやる」と挑戦姿勢を示した。(右)は黒柳伸治事業部長

 ●間食以上、食事未満

 ポッカサッポロフード&ビバレッジはコロナ禍を契機にスープ事業を革新する。テレワークで増えた間食、軽食の「スナッキングフード」を提案し、コロナ後の新たなニーズを取り込む。17日から専用のマッシュポテト風「じゃがネル」、小さなおにぎり1個分の「カップごはんトロリ~ズ」を発売する。既存の「じっくりコトコト こんがりパン」シリーズは4年ぶりに刷新。暖冬を想定してメニューを広げ、内食・調理増にパスタソースなどの代替活用も伝える。

 スープは売上げ1369億円の17%を占め、中核事業として領域を広げる。ほかにない全国4工場の生産・開発力を強みにコトマーケティングを深め、朝昼以外に食シーンを増やす。コロナ共存の社会・生活変化に応じ、差別化して元売場を脱する。

 在宅勤務は3月から、全国20~40代デスクワークの67%が始め、うち48%が週4日以上と定着したと判断。食事も時間に縛られず、1日3回以上の多食化が52%となり、間食が食事に置き換わる人も42%いるという。「間食以上、食事未満」の新たな喫食を「スナッキングフード」と命名してニーズを顕在化する。

 スナッキング専用品は湯注ぎだけででき、廃棄は紙だけというカップの基本価値はそのまま。低カロリーの小腹満たし、手作りの楽しさを加えた。

 「じゃがネル」は乾燥ポテト入りのカップにお湯を注いで練って食べる(コロッケ・ピザ味、各1食150円)。136kcal以下ながら軟らかな口溶け、コショウを利かせた濃い味で満足感が得られる。「トロリ~ズ」はもちもち食感の米粉加工品と2種の乾燥野菜入り。濃厚クリーミーチーズ、参鶏湯風、花椒香る担々の3種が気分で選べ、健康感も演出した(各1食250kcal以下で230円)。

 基幹商品の「こんがりパン」は中身とパッケージを一新。主力の「コーン」「かぼちゃポタージュ」は塩味を控え、増強した具材の味わいを引き立てるなどし、現代ニーズに応える。包装上部のシズル写真でおいしさ、ぬくもりを伝える。

 そのほか、高単価ながら健康志向をとらえた「きちんとチキン」は新たに「参鶏湯風」を発売。「辛王」も新品種を追加する。パスタやドリアソースへの活用、簡単アレンジの調味料使いも提案して、事業発足40周年を盛り上げる。(吉岡勇樹)

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