キッコーマン食品、記念日を制定 リコピン認知向上へ
キッコーマン食品は記念日を初めて制定し、高栄養のリコピンの認知度を高める。8月5日を「リコピンリッチの日」として、日本記念日協会からの授与式を1日、東京都内で開いた。トマトががん予防に有効といった機能性を伝え、吸収率の高い加工品からの摂取を促す。「デルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップ」などのシリーズ商品は濃厚な味わい、リコピン量1.5倍といった付加価値を提案。若年女性向けゼリーも発売するなどして低い認知、欲求率を伸びしろにする。
「リコピンリッチ トマトケチャップ」の10年前の発売日の5日を「リコピンリッチの日」として登録した。「デルモンテ」との提携60年といった周年を祝い、106年の社史で初の記念日を設けた。リコピンの生活者価値の向上、プロモーションに生かす。希望するメーカー、団体があれば活用してもらう。
1日に登録証授与、人気芸人のメイプル超合金の大使就任トークなどを行って発信した。全国トマト工業会の小後摩美絵専務が講演し、リコピンは抗酸化力がβカロテンの2倍以上、トマトを数多く食べると消化器系がんの危険度が下げられると説明した。生のトマトより加工品は2~3倍もリコピンの吸収率が高く、ジュースやケチャップの利用を勧めた。
「リコピンリッチ」シリーズは完熟トマトの濃厚な甘み、うまみを引き出し、ケチャップ485gなら「トマト23個分」使用。ジュース900gだと「トマト32個分のリコピン」含有といった栄養価を今春からパッケージで示した。デルモンテブランドならではの上質・高級感といった情緒訴求に、実感してもらえそうな価値訴求を加えた。
13年の発売以来、売上げを伸ばしてきたが、コロナ特需からの反動減、値上げの影響もあって最近は高止まり。50~60代女性のヘビーユーザーに支持される半面、20~40代女性の一万人調査では、19種の栄養素の認知率でリコピンは62%の12位、摂取意向は19%の13位と低ランク。トマトジュース市場の若年開拓も好機にし、3月から初めてゼリー市場に参入した。
新たな「リコピンリッチ フルーティートマトゼリー」160gは包装前面で「1日分のビタミンC トマト4個分のリコピン」と栄養素を明示。柑橘果汁を入れて甘みを出し、トマトジュースを敬遠する20~30代女性の試用を誘う。(吉岡勇樹)