メニュートレンド:地産地消で海苔×カレー 「おいしく食べて、健康に。」にこだわる

2022.12.05 526号 02面
海苔カレー 1,100円(税込み) ※22年10月の取材時点の価格 盛り付けも映える。焼き海苔を家系ラーメン風に

海苔カレー 1,100円(税込み) ※22年10月の取材時点の価格 盛り付けも映える。焼き海苔を家系ラーメン風に

左からコールスロー、小松菜とエノキのスパイス炒め、玉ネギのアチャール、ニンジン、紅大根のぬか漬けなど野菜がたっぷり。美濃焼の皿にもこだわりあり

左からコールスロー、小松菜とエノキのスパイス炒め、玉ネギのアチャール、ニンジン、紅大根のぬか漬けなど野菜がたっぷり。美濃焼の皿にもこだわりあり

自家製海苔の佃煮を作りカレースープと合わせる

自家製海苔の佃煮を作りカレースープと合わせる

鶏もも肉は焼き方にこだわり、しっとり仕上げる

鶏もも肉は焼き方にこだわり、しっとり仕上げる

「海苔カレー チキン入り」と「和だしチキンカレー」のレトルトパックを同店のHP、某大手スーパーの大森店で販売中

「海苔カレー チキン入り」と「和だしチキンカレー」のレトルトパックを同店のHP、某大手スーパーの大森店で販売中

 地産地消…よく耳にする単語だが、これは一般消費者向けに限ったことではなく外食店にも当てはまる。地元の特産物を使ったここでしか食べられない、地域に根付いたメニューが「昼飯屋」の「海苔カレー」だ。

 「昼飯屋」のある東京・大森は海苔養殖発祥の地。江戸時代からスタートし、昭和初期まで生産量日本一を誇っていた。東京湾の埋め立てにより養殖は終了したが、今でも海苔問屋が存在する。

 それに着目したのが、「昼飯屋」の高瀬晋一店主。高瀬店主は開業にあたって心に決めたことがある。それは「開業する地域がどこであれ、地元の名産品を使った名物メニューを作る」こと。大森に決まったからには、海苔は避けては通れない。が、なぜ、カレーなのか? 海苔×カレーの組み合わせは、かなり珍しい。

 「うちはランチタイム営業のみで、店の運営は夫婦でやっていますが、作ったり出したりは、ほぼ自分一人でやっているので、ワンプレートメニューでないと回らないんです。カレーは仕込みには時間をかけていますが、提供は早ければ1分でできる。お客さまをお待たせしないし、回転率を上げることもできます」ということで唯一無二のカレーが誕生した。

 「昼飯屋」のこだわりは地産地消だけではない。「おいしく食べて、健康に。」も同店の重要なこだわりだ。そのため同店のカレーは無化学調味料、砂糖不使用、グルテンフリー。さらに「スパイス文化になじみがない日本人はスパイスだけだと胃が疲れることもあるので、スープは鰹節、鯖節、昆布などでだしをとり、味噌、醤油、塩こうじなど和の調味料で調味しています」。

 高瀬夫婦の「食」への思いが「これでもか」というほど詰め込まれた「海苔カレー」が各種メディア、カレーのインフルエンサー、SNSで話題にならないわけがない。

 ●店舗情報

 「昼飯屋」

 所在地=東京都大田区大森西5-10-10/開業=2020年/坪数・席数=約12坪・15席/営業時間=11時~14時。月曜休/平均客単価=1200円/1日平均集客数=30~50人

 ●愛用食材・資材

 「焼海苔」 並木海苔店(東京都大田区)

 地元の店の海苔をカレーに

 創業70年、海苔の老舗問屋の焼き海苔。「並木海苔店さんの焼き海苔で自家製の海苔の佃煮を作り、カレースープと合わせたものが海苔カレー。大森が海苔の町であることを、海苔カレーを通して発信し、地域が活性化することを願っています」と高瀬店主。

 規格=板海苔10枚

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