和食ファミリーレストランの出店・顧客動向 「藍屋」夢庵と二本立てのチェーン展開

1996.09.02 108号 11面

(株)藍屋(本社=東京・武蔵野市)は、すかいらーく系列の和食ファミリーレストランで、社名同様のチェーンブランド「藍屋」と「夢庵」の二本柱でチェーン展開を推進している。

藍屋は一〇年前、埼玉県与野の国道一七号線バイパス沿いに出店したのが第一号店で、当時の出店コンセプトは高級感のある和食ファミリーレストランの展開であった。

現在も基本的にはこのコンセプトは変わらないが、ポストバブル後はメニュー政策や価格の面で、さらに来店動機を喚起できるようポピュラリティーを打ち出している。

メニューは揚げ物、煮魚、など日替わりランチで五八〇円。夜は天ぷら、角煮御膳などのセットメニュー一六八〇円。

セットメニューはファミリーレストラン共通の傾向だが、このメニュー政策は日本人の消費行動にマッチしているうえに、ある程度の客単価を設定することもでき、また、調理の集中管理もできる。ストアオペレーションの面でのメリットは大きいのだ。

客単価一六〇〇円、月商二四〇〇万円が標準ベースで、店舗の大きさは敷地四〇〇坪、建坪一二〇坪、客席数一二五席。駐車能力四〇台前後。営業時間午前11時~午後11時。

夢庵はややこれより規模が小さくなる程度で、物理的にみて大きな差はない。

使用している食材は、基本的には藍屋と同じだが、藍屋はワンランク上の業態なので、アジなどフレッシュな魚介類を使った料理もある。

夢庵は「家庭料理、ホームダイニング」というコンセプトで、客単価は一〇〇〇円。より日常性を訴求している。

人気メニューは大豆の香りが残るおぼろ豆腐(二人前)四八〇円、コシのあるうどん・ざる三八〇円、焼魚、天ぷら、かつ三八〇~六八〇円、天丼などご飯物三八〇円。

ざる・うどん・天ぷら・ご飯物などのセットメニュー一二~一三品目(六八〇~九八〇円)もあり、すべて低価格だ。

客単価は昼七〇〇~八〇〇円、夜一二〇〇円。平均月商は一四〇〇万円。営業時間は藍屋と変わらない。

店舗数は藍屋が七六店、夢庵が八二店。夢庵はいわば「ガスト」的存在であるので、消費者の評判はよい。年間二〇店の出店ペース、不振の藍屋を夢庵に移行させているケースもある。

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