トップに聞く97外食・飲食業界の予測と戦略 ピザ・カリフォルニア・牛久保 洋二氏

1997.01.06 118号 14面

(1)景気低迷の続く中、低価格志向も続いているわけだが、やや回復の兆しの見え始めた昨今、消費傾向も上向いているとはいうものの、消費税アップ、特別減税の廃止など、景気の減速感は拭えなくなってきている。

そうしたこともあって、外食の低価格傾向は今後も続くと思われる。ただし、消費者は実の部分で納得したものには支出していくことに抵抗がない。実の部分で付加価値を高めていくことが急務と思われる。

外食全体では、二極化が顕著になってくるのではないだろうか。当社で言わしていただければ、いたずらにセットやクーポンなどでサービスをしていくよりも、商品内容の充実、品質の向上に力を注ぐことこそ、顧客満足(CS)と考えている。

価格設定も大事なポイントであるが、商品の価値、サービスなどのバランスの上に納得ある価格が問われている。

(2)食材面では、原材料のコストダウンを図っていくため、各食材メーカーとともにPB化を積極的に推進している。また、新コンピュータシステム「宅配くん2」を導入、販促の効率化に取り組むと同時に、顧客サービスにも重点的に用いている。結果的に販促、サービスのコストダウンになっている。

(3)より高度化した社会や環境に置かれている人々が求めているものは、コンピュータや機械化では決して得られることのない心の豊かさや温かさである。すなわち「やすらぎ」「愛」「団らん」ということが考えられるのではないか。

ますます心が空虚になっていくと思われる将来に、外食産業としてはこうしたキーワードが生まれてくる。ほっとさせる空間を提供してくれるレストラン、温かいピザを囲んでのファミリーでの食事など、まさにこういったことがキーワードに当てはまってくるのではないか。一口にいうと個性化、本物化であると思う。

(4)一〇〇〇店体制、シェア四〇%を目指し、出店形態の見直しを図っている。従来のデリバリー中心の店舗、テークアウト主体型店舗に加え、イートイン型店舗、ドライブスルー型店舗、また、それぞれのミックス型の店舗の出店。さらに立地別では都心型店舗、郊外型店舗、それにロードサイド店、SS(ガソリンスタンド)の跡地店、あるいは併設店など重点的に出店をしていく構想である。

商品的には、主力のピザはもちろんのことサイドメニューの充実を図っていく。そのために昨年の5月に商品開発室を設置。すでにクリスピーピザとサイドメニューのベイクドディッシュを送り出している。サイドメニューは全体の売上げを嵩上げするには必需な商品と考えており、現在一〇%の売上げ構成を早急に一五%にもっていくような商品を開発中である。また、今年度には新規事業をスタートさせる。これについては早い段階で発表できる予定である。

ともあれ、本年はピザ業界の勝負の年と考えられ、淘汰や再編が一段と顕著になるのではないか。ピザ・カリフォルニアは業界のリーダーとして、二一世紀に向けて積極的な展開を進めていくつもりである。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら