地域ルポ 「国際フォーラム高架下通り」(東京・有楽町) ガスホールとの連動推進
一〇年前、都庁があったころ、有楽町駅北口あたりから東京駅方向に向かっての高架沿いは、都庁の壁が連なっていたので、高架下の店舗などへの出入りは、反対側、すなわち南側から行っていた。
現在も残る「有楽町・高架センター」からのアプローチだが、戦後のヤミ市、ガード下をイメージさせるエキサイティングな空間で、都庁が移るまでは有楽町の穴場的飲食ゾーン、ヤミ市時代のノスタルジアを感じさせるやすらぎの“時代空間”だったのだ。
国際フォーラムがオープンするにあたって、施設オーナー(管理会社)の㈱東京地域本社が、高架下空間の活性化を意図し、新規入居者(店舗)を誘致、これによってリニューアルや新規出店が相次いできているもの。
しかし、高架沿いがカラー舗装化されたものの、このエリアに来街(通行)する人は少なく、店によっては売上げが目標の半分というところもあり、現在のところは各店舗とも苦戦を強いられている状況にある。
人通りが少ない理由の一つには、フォーラムのガラスホール(地下三階、地上一一階、高さ六〇m)が、高架側に向かって灰色のパネル壁になっているので、これが陰気な雰囲気を与え、通りの環境と一体化していない面があるからだ。
フォーラムの人の流れはガラスホールの北側を東西方向に、施設への正面出入口は駅とは反対側の丸の内側にレイアウトされており、トータル的にみれば駅改札口の人の流れとは、十分に一体化していないという施設展開にある。
「高架側にも広い開口部、ウインドーなどが設けられ、オープンな雰囲気があれば、人通りも期待できると思うんですが、現在のところは内容と料金の安さで、固定客づくりを進めていくしか、集客方法はないという感じです」(居酒屋店長)。これは高架下店舗の共通の認識だ。
◇有楽町高架下のニューフェース飲食店
・居酒屋「南風」
・地鶏割烹「和家」
・回転寿司「すし乃助」
・日本料理「越後本店」
・食事処・居酒屋「浜亭」
・ベーカリー・喫茶「リトルマーメイド」
・喫茶・バー「UCCESPRESSO BAR」