ベストマッチ!ピザ&ビール シェーキーズ池袋東口店
池袋サンシャインシティに至る雑然とした通り。所狭しと並んだ雑居ビルには居酒屋やカラオケ屋などがひしめいている。シェーキーズのモデル店舗である池袋東口店は、その騒がしい地区の一角にある。入り口をくぐり、れんが風の階段を下りるごとに背後の雑踏が遠くなり、周囲は明るく開放的な色彩になる。清潔感のある白とグリーンのオープンキッチンが目に入り、中二階に続く木の階段、その上にはしゃれたバルコニーと客席。“学生御用達”色の濃いシェーキーズのイメージとはほど遠い。
昨年秋の店内改装で、同店は従来のシェーキーズからワンランクアップ。開放感、健康志向を高めた内装とフルサービスシステム、海外研修を積んだシェフによる本格料理とアルコールのラインアップを強化したメニュー構成で“学生向けピザショップ”からの逸脱を実現した。
「この店では、ほかのシェーキーズとは比べものにならないほどアルコールが出る。客層も若いサラリーマンやカップルが多く、夜の客単価は従来店より三割ほど高い」(営業企画部)と改装当初の設定通り。
とはいえ、一般にシェーキーズのイメージは、良くも悪くも確立されており、アルコールのイメージはまだまだ薄い。ピザなどのメーンディッシュがほとんどを占め、サイドディッシュの少ないメニュー構成が、アルコールの伸びを妨げている側面があるからだ。
さらに“食事対応型”から“飲食対応型”への移行を図るため、10月16日に新製品を投入する。それが、薄焼きグルメピザ「カリフォルニアライトピザ」である。
「ハーブガーリックとフレッシュバジルのピザ」「サーモンとトマトのピザ」など五アイテムは、パリッとした薄焼き生地にフレッシュな野菜をふんだんに使ったライトなサイドディッシュで、まさに「ビールとの相性は最高」だ。ビールを飲んでも、クリスピーやパンピザのように膨張感がなく、女性客を中心としたアルコール需要に期待できそうだ。
さまざまな客のニーズに対応できる「ピザのおいしい居酒屋=ピザカ屋」を目指し、従来のイメージから脱皮し始めている。
●データの見方
(1)店名(2)店舗責任者(3)創業(4)所在地(5)電話番号(6)営業時間(7)店舗坪・席数(8)客単価(昼・夜)(9)平均月商(10)一日来店客数⑪消費量の多い(人気)のトッピング素材(チーズ、ソースは除く)⑫チーズの種類(ピザのみ)⑬粉の種類⑭オリーブオイルの種類⑮ピザ生地、パスタの量⑯売れ筋ワイン銘柄⑰メニューのセールスポイント⑱シェフの素材に関するこだわり⑲取材者から一言
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(1)シェーキーズ池袋東口店(2)昭和58年(3)松本謙二マネジャー(4)東京都豊島区東池袋一-一一-四、大和ビル地下一階(5)03・3983・4818(6)午前11時~午後11時(7)六八坪・一二〇席(8)昼八五〇円・夜一四〇〇円(9)二二〇〇万円(10)六五〇人⑪サラミ、オニオン⑫ゴーダ(主にオランダ産)、モッツァレラ⑬オリジナルブレンド⑭ボスコピュアオイル⑮ピザ生地シングルサイズ/八〇~九五g、ダブルサイズ/一四〇~一六五g、ラージサイズ/二四〇~二八五g、パスタ/一一〇g(乾麺)、二二〇g(ゆで上がり)⑯なし⑰厳選したパスタをゆで上げ、ピザは種類・サイズのバリエーションを取りそろえ、さまざまなニーズに対応できる。また新規メニューでは、従来品とまったく異なったライトなサイドデッシュ感覚をアピールする⑱他店であまり使用されていない「ロメインレタス」をシーザーズサラダに使用⑲ガーデンテラスをイメージした店内は広々として、居心地がよい。ただ、客の年齢層が低いだけに、その雰囲気が生きていない側面もある。夜のアルコールシーンにつなげ、昼夜で客のすみわけをしていけば良いと思われる。また、会社側もそれを狙っている。高田馬場店で、夜には看板も内装も取り替えて営業する新形態の試みも計画しているらしい。