この1品が客を呼ぶ:地域密着繁盛店=名古屋・中国台湾料理「味仙」

2001.02.19 222号 8面

名古屋に「ルーツは台湾。しかし台湾にない」ラーメンがある。唐辛子とニンニクを効かせたスープに、麺が隠れるほどに盛り付けられたひき肉とニラ。名古屋市千種区の中国台湾料理「味仙」は、激辛ブームで人気に火がつき名古屋じゅうに広まった「台湾ラーメン」(六〇〇円)を最初に考案した店として、幅広い層に親しまれている。

女将として店を切り盛りする郭美英さんは「台湾には辛い料理はありません。主人(郭明優氏)が担仔麺をアレンジして作ったのが最初です」と、台湾ラーメンができた昭和46年当時を振り返る。唐辛子は食欲増進に、ニンニクは香り付けと健康に良いとの理由から使用したという。

同店でも一日に二五〇~三〇〇食は出るという人気の高いラーメンだが、名古屋以外の地域で見かけることはない。「辛さとコクが名古屋人の口に合い、受け入れられたようです」と郭さん。八丁味噌に代表されるように名古屋人は「濃い口」を好む。

もともと台湾料理店であることから「台湾ラーメン」と名付けられた。しかし「お客様の中には台湾のラーメン=当店の『台湾ラーメン』と思っている方もいます」といわれるほど、名古屋人に愛されているラーメンなのだ。

◆中国台湾料理「味仙」(名古屋市千種区今池一‐一二‐一〇、052・733・7670、http://www.misen.ne.jp)営業時間=午後6時~午前2時、火曜定休

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