第5回治療食献立・調理技術コンテスト:コンテスト提示条件

2001.04.16 226号 5面

〈治療食〉

▽氏名=日本メディカル太郎、四五歳、男、営業マン、身長一六四cm、体重七五kg(標準体重五九・二kg、BMI=二七・九kg/m2▽病名=肥満、高脂血症(WHO2b型)、脂肪肝、高尿酸血症、高血圧▽主訴=全身倦怠感(+)▽現病歴=特別な既往歴がなく、営業マンとして働いていた。仕事がら毎晩のようにビール二本、たばこは二〇本吸っていた。今年になって疲れを自覚するようになり、四五歳になったからかな? とも思ったが、少し気になり、A病院を受診した。空腹時の検査データは事項の通りであった。上記の診断を受け、現在はあまり心配いりませんが、今後のことを考えると、きちっと治療をしなければいけないと指導を受け、入院を勧められた。入院中の食事は下記の内容であった。投薬の指示はなかった。

▽食習慣=朝食はパンと牛乳程度、昼食はほとんど外食、夕食に一日のエネルギー摂取量の半分を摂取していた。ご飯、麺類は好んで食べる。魚類より肉類の霜降りを好む。果物、野菜の量は少ない。アルコール飲料はビール大びん二本/日。菓子類は和洋ともに比較的好んで食べる。

▽指示栄養量/日=一六〇〇kcal、タンパク質七〇g、脂肪四〇g、P/S比一・〇~二・〇、コレステロール三〇〇mg以下、食塩七g

〈行事食〉

老健施設入居中=4月の花見弁当を屋外で食べることを想定▽氏名=日本メディカル二郎、七三歳、男、無職、身長一六〇cm、体重五二・〇kg(標準体重五六・三kg)、BMI=二〇・三kg/m2▽病名=慢性閉塞性肺疾患▽主訴=咳▽食習慣=好き嫌いは特になし。硬い物でも調理法によっては摂取可能▽口腔内=上下の小臼歯、大臼歯はすべて義歯▽問題点=やや咀嚼障害有り。しかし、ご飯は摂取可能。血清アルブミン三・五g/dl、嚥下状態は良好。

▽指示栄養量/日=一八〇〇kcal、タンパク質七〇g、脂質エネルギー比二〇~二五%▽栄養量/昼食=六〇〇~七〇〇kcal、タンパク質二五~三〇g、脂質二〇~三〇%

〈献立作成・調理実技基準〉

▽テーマ=〈治療食〉を参照して治療食献立(朝食・昼食・夕食)一日分および、〈行事食〉を参照して行事食(常食)の昼食一食分を作成し、調理技術の向上を目指すコンテストとする。〈出場選手資格、応募数など〉一会員から一チーム、グループ会社から二チームまでの出場を原則とする。参加資格は会員会社事業所に勤務する栄養士一名、調理士一名、調理職二名の四名を一組とする。なお、管理部門に所属し教育・指導的立場にある栄養士および調理職を除き、事業所勤務者に限る者とする。〈コンテスト審査方法〉▽一次(献立)審査=献立作成にみる病態栄養学、臨床データの基礎知識および理解度、栄養管理、材料コスト面の経済性を審査する。行事食については、入院生活における食事の楽しさを表現しているかなどについて審査する。(1)臨床検査データや食材価格表など、別途資料および規定食材費により計算する。栄養価表示は四訂日本食品標準成分表の位取りとする(2)規定食材料費は治療食=朝食二〇〇円以内、昼食二八〇円以内、夕食二八〇円以内で一日合計七六〇円以内とする。行事食は昼食五〇〇円以内▽二次(調理総合)審査=調理技術面では視覚からくる食欲の増進、味覚の満足度、衛生的な取り扱いなどを審査する。調理時間は盛付時間を含めて三時間。献立は大量調理が可能なものにすること。衛生管理には十分留意して調理し、調理従事者は健康診断結果、検便結果などに異常がないこと。

審査委員は阿部士良日本医療法人協会副会長(久米川病院院長)を審査委員長として第一次審査一一名、第二次審査一二名。

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