うまいぞ!地の野菜(32)長崎県ミニ情報「ハコフグ」

2001.05.07 227号 14面

四方を海に囲まれた五島は、豊かな漁場として知られる。黒潮から別れた対馬海流をはじめさまざまな海流がぶつかり合う海域には、豊富な種類の魚が集まり、その料理法も独特のものがある。

その一つが「かっとっぽ」と呼ぶハコフグの味噌焼き。五島ではハコフグのことを「かっとっぽ」と呼び親しんでいるが、これはもともと漁師料理だったもの。

各家庭の持ち味をもつハコフグ料理は、まず内臓を取り出し、腹の中に具を詰めて焼くという捕れたての新鮮さを生かしたシンプル料理。

具材は各家庭で異なり、玉ネギやショウガなどが一般的。ハコフグの白身と味噌の取り合わせが得もいえぬ味わいを醸す珍味。また腹を天に向けたユーモラスな姿から、五島の名物料理として親しまれている。

このほか五島には石ダイの「皮焼き」、アワビの「ふくら煮」や「味噌焼き」、オコゼの刺身、キビナの「いり煮」などその種類は数え切れない。

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