札幌の中心部・大通地下街に連結する好立地で、昼は会社員、夕方は若者でにぎわう「げんこつラーメン屋」。満腹感のあるセットメニューが人気を集め、中でも「ジャージャー飯セット」が好評だ。数的にはラーメン店の定番といえる「チャーハンセット」が一番出るが、一日平均一五食ほどが売れ、これを目当てに足を運ぶ常連客が多い。

ジャージャー飯は、生の豚ひき肉を甜面醤とオイスターソース、酒、豚骨スープ、自家製の味噌や醤油などで炒め、出来上がったあんをご飯の上に乗せ、白髪ネギと自家製キムチを添える。

成人男性が満足できるボリュームながら、ほどよい甘辛感と香ばしさが食欲を誘い、「セットの半ラーメンと一緒に女性客も残さず食べていってくれます」（田中点店主）。

半ラーメンは、味噌・醤油・塩の三つから選べ、店のお薦めは味噌。赤味噌と白味噌をブレンドし、豆板醤、ニンニク、ごま油、豚ひき肉、さらにチャーシューの煮汁や自家製醤油などの隠し味を加えて熟成。若干しょっぱめの芳醇な風味が、濃厚な豚骨スープによく合っている。

「気軽に食べられるのがラーメンのよさ。炸醤飯（ジャージャーハン）や炸醤麺（ジャージャーメン）は中国料理店で食べると一〇〇〇円を超す場合が多いようですが、うちはラーーメン屋なので低価格を心がけています」

そのため、高価な食材を使うのではなく、豚骨の血抜きを丁寧に行う、自家製調味料で独自の味を追求するなど手間をかけることでおいしさを追求している。

◆「げんこつラーメン屋」（北海道札幌市中央区南三西四、アルシュビル地下二階、０１１・２１３・６０２３）営業時間=午前１０時３０分～午後７時４５分、不定木曜休