そば・うどん特集:はなまるうどん、オリジナルだし・麺で全国1000店目指す
そば・うどんチェーンは他の外食産業と比較すると難しい業種といえる。その一つが、メニュー変更のバリエーションに乏しいこと、麺が気温や湿度、温度によって左右される生き物であり全国統一オペレーションが難しいこと、うどんでは西のつゆが薄く東が濃いなどの地域性が非常に強い食品であること、全国で収穫期がバラバラ(図表5参照)などなど。したがって、一〇〇店を過ぎたあたりで出店の数がとまり、勢いも長く続かないというのがチェーン動向である。
しかし、このような中で勢いがある唯一のチェーンといってよいのが、「はなまるうどん」である。二〇〇二年12月に一号店から今や二〇〇三年末で一六〇店にも達しようという勢いであり、二〇〇七年には一〇〇〇店舗を目指している。
直営店対FC店の比率は約二対八。北は北海道から南は沖縄までの全国展開。老若男女が日常普遍のものとしてうどんを食する高松市。讃岐うどんとして認知度上昇とともに台頭してきたが、はなまるうどんは、塩分がやや強いオリジナルだしと腰が強いオリジナル麺という研究を重ねた成果で、独特のコンセプトを提供している。
ほどよい熱さの汁が客回転を稼ぎ、オーダーを受けてから一五~二〇秒で商品が提供され、客の平均滞留時間は約一五分。おいしさの秘けつは、平均三五%という原価率にあるかもしれない。中には原価率六〇%を超えるメニューもあるという。チルド配送される生麺を店舗で半径一~一・五mほどの専用釜でゆで上げる。大・中・小というチョイスの楽しさも加わり、強いコンセプトで全国の消費者の賛同を得ているチェーンである。