セブン-イレブン、配食サービスを強化、高齢化で需要期待
(株)セブン‐イレブン・ジャパン(東京都千代田区、電話03・6238・3743)は店舗の地域密着サービスの一環として配食サービスの強化を図る。配食サービスは子会社(株)セブン・ミールサービスが運営。以前は店舗では注文受付と商品渡しのみだったが、現在は注文商品の配荷・宅配拠点の役割も担っている。今春には関東一都三県から北関東三県(茨城・群馬・栃木)まで実施エリアを拡大する。利用者は五〇代以上が五割を占めることから、高齢化でさらに需要拡大が期待できる。
同サービスは二〇〇〇年から首都圏で開始した。会員は商品カタログをもとに店舗、電話、FAX、インターネット、配達員に注文、注文商品は既存の弁当・惣菜工場で製造し、宅配あるいは店頭渡しで届ける。支払いは店頭渡しは商品引き換え払い、宅配は一ヵ月分を店頭または銀行自動引き落とし。これまでも逐次、仕組みや利用条件を見直しながら事業拡大を図ってきた。
〇三年7月には会員登録料一〇〇〇円を無料に、配達料も一回一〇〇円(注文二〇〇〇円以上無料)を有料二〇〇円に変更した。注文締切も、注文方法にかかわらず翌日配達分は午前11時に統一した。
〇四年には専用便で行っていた宅配をヤマト運輸に委託した。注文商品は店舗に一括納品後、店舗従業員による宅配、ヤマト運輸委託宅配、店頭渡しの三方法で顧客に届ける。店舗の作業負担は増えたが、店舗宅配分は全額売上げ計上できるなど店舗への還元を厚くした。顧客と直接会話する機会が増え、予約商品の売り込みや新商品紹介など拡販チャンスにもつながる。
カタログ掲載商品は月~土に週ごとに注文できる「おまかせ六日間メニュー」(主菜+副菜一~二品セット、四〇八〇円)、単品注文の「えらべるメニュー」(主菜、副菜、麺類、香の物、ご飯二六品目)、五九〇円均一の「日替わり弁当」、その他日常必要な食品、雑貨をそろえる。商品コンセプトは安心・安全・栄養バランス・健康。日替わり弁当は一部店舗で販売しているが、ほかはほとんど店舗で取り扱っていない商品。
会員は五〇歳以上が五割を占め、健常高齢者、有職主婦などが中心。一回当たり注文金額は平均二〇〇〇円弱。利用頻度は週二回が三割と一番多い。当初は宅配が七割を占めていたが、徐々に店渡し比率が高まっているという。現在の売上高は明らかにしていないが、六五歳以上の健常高齢者の増加、共働き世帯の増加、カロリーや塩分を気にする健康志向を追い風に会員増加、利用率向上を図る。北関東地区への拡大を機にTVCMを検討するなど、認知度アップに取り組む。