最新エスニック食材講座(9) 「ガラムマサラ」夏のスタミナ強化も

1993.07.05 31号 19面

インド独特のスパイスで数種類から十数種類のスパイスをブレンドして作ります。日本の七味唐辛子、中国料理の五香粉のように、インド料理のベースとして香りと味を引き立て、特にカレー料理の仕上げのスパイスとしては欠かせません。

クローブ、ナツメッグ、シナモン、カルダモン、ローレルなどのスパイスをアンミストーン(スパイス挽きで石の台座)に原形のスパイスを乗せ、挽き石でたたくようにすりつぶします。現在はコーヒーミル状の器具で挽いて作ることもできます。スパイスは数種類から数十種類のブレンドによるガラムマサラがあり、ブレンドによって味と香りが異なります。ガラムマサラは「味と香りを補足する」スパイスですから、カレー料理に使用する場合は、最終加熱の直後に加えることが効果を大きくします。また、最初の調理(仕込み、調理)段階で使用する場合は、炒め物や焼き物のベースに使用する場合です。

カレーソースを煮込むと、どうしてもスパイスの香りが幾分飛んでしまい弱くなるので、ガラムマサラが味と香りを強化する作用をします。

ガラムマサラの使用量は三十人分のカレーソースで大さじ三杯位を目安として下さい。何とも誘惑的なあのカレーの香りの秘密は、ガラムマサラにあります。使用するのはカレー料理ばかりではありません。煮込料理、スープ、シチュー、フライ、ドリンク、揚げものにどうぞ。夏のスタミナ強化にも食欲をそそり、メリハリの効いた味と香りを楽しめます。

《サモサ》(材 料)

薄力粉 200㌘

サラダ油 50㏄

皮 アジョワン原 小さじ 1/2

塩 小さじ 1/2

湯 50~80㏄

鶏肉(ささみ) 100㌘

玉ねぎ 50㌘

じゃがいも 2~3ケ分

グリンピース 20㌘

クミン原 小さじ 1/4

ターメリック末 小さじ 1/4

レッドペッパー末 小さじ 1/2

コリアンダー末 小さじ1

ガラムマサラ 小さじ2

生姜 10㌘

塩 塩さじ 1/3~ 1/2、水 大さじ2

(作り方)

① ボールにふるった小麦粉、塩、アジョワン原を入れて軽く混ぜ、サラダ油を加えながら粉と油がよく混ぜ合わさるようにします。湯を加えながら耳たぶ位の柔らかさにし1時間位ぬれ布巾をかけねかせます。

② 鶏肉は細く、じゃがいもは7㍉角、玉葱と生姜は微塵切りにします。鍋に油を入れ、クミン原を入れます。生姜を加え、玉葱を炒めてから鶏肉、じゃがいも、グリンピース、スパイスを加え、水大さじ2を入れて蓋をし、15分位蒸します。

③ ①を8ケに分けて、ギョーザの皮状に伸ばし、その半分を1ケとして②を包み、サラダ油で揚げます。

スパイス料理研究家

朝岡 和子

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