イオン、小型のSM開発にオリジン東秀活用 買収成果を発揮
イオン(株)(千葉市美浜区、電話043・212・6061)は、実験中の小型食品スーパー(SM)「まいばすけっと」の最新店で傘下に収めた惣菜・弁当チェーンのオリジン東秀(株)の活用に乗り出した。7月8日に開店した「まいばすけっと綱島西2丁目店」(横浜市港北区綱島西2‐7‐18)でオリジン弁当と共同出店した。有力視されてきた業態開発でも共同で取り組み、いよいよ買収後の成果を本格的に発揮する。従来にはなかった連結型の店舗とすることで、小商圏対応の業態として競争力が高まるかどうかの実験を進める。
同社はオリジンを傘下に収めて以後、ジャスコ新店の浦和美園店(さいたま市緑区)と柏店(千葉県柏市)での量り売り惣菜の導入や商品供給などで活用を進めてきた。今回、小型SMの開発でも共同で取組みに着手し、積極的に相乗効果を生かす。
新店は、イオンが実験中の小型SM「まいばすけっと」としては3号店となる。従来は単独店で出店してきた。今回は、同店舗とオリジン弁当を隣接した。レジは別だが、連絡口で両店舗の往来が簡単にできる形とした。
新店は、東急東横線の綱島駅から徒歩3~4分で、繁華街と住宅地のおよそ中間に位置する。直近にはイトーヨーカドーがあり、周辺にはドラッグストアや均一ショップのショップ99など競合店も多い。厳しい競合環境下、オリジン弁当との複合店で競争力を試す。両店を連結することにより、客数や買上げ点数で相乗効果を期待する。
新店の小型SMは売場面積約60~70坪、レジ正面から奥に向かって縦長のレイアウト。右端から壁面沿いに青果、弁当、鮮魚、精肉、ハム・ソーセージと続き、和日配、洋日配、雑貨、飲料を配置。加工食品はPB(自主企画)商品のトップバリュを核にNB商品も扱う。ゴンドラ3本で両面を使い、菓子やカレールー、調味料などを陳列する。冷凍食品とアイスの冷蔵の平ケースの上に空いたスペースにはカレールーやレトルト食品、カップ麺を陳列し、限られた売場面積を有効に活用する。
作業面でも効率化を図った。1、2号店で備えていたインストアベーカリーは設置せず、生肉のパック商品やマグロの切り落としなどは、イオングループで生鮮品の製造・加工を担う(株)フードサプライジャスコから供給される。店内加工を外部化することで、運用コストの低減を図る。
その一方で、隣接したオリジン弁当で競争力を高める。標準の路面店よりも売場が若干小さめで、量り売り惣菜レジの隣に配置した。レジ奥には厨房設備が整えられ、店内加工の出来たて惣菜や弁当を提供する。