徹底研究-インド料理文化 代表はポラオとビリヤーニ
南インドでは米が主食。しかしほとんどの場合は、白いいわゆるご飯として食べられ、料理はご飯にかけて食べられるよう、つゆっぽいものが多い。したがって、米料理として有名なものはむしろ北インドに多い。その代表的なものはポラオとビリヤーニ。これらの料理はポラオ・ライスとかビリヤーニ・ライスと呼ばれる、とくに細長い腰の強いライスを使う。
ポラオは、米を肉や野菜とともに、香辛料で炊きあげた料理。ビリヤーニは、ポラオよりさらに多くの具と香辛料、とくにクローブ、カルダモン、シナモンといった高級なものをたっぷり使って炊き込んだ料理で、水分としてココナツミルクを使う。これは王候の戴冠式から庶民の祝い事の席まで、幅広く作られる代表的な料理といえる。
入れる材料によって、チキン・プラオ、マトン・ビリヤーニ、グリンピース入りのマルタ・プラオなどがある。御馳走だけあって銀箔で包んだひき肉ボールの入ったモティ・プラオ。カラフルに着色したカシューナッツの具の美しいヌール・マハル・ビリヤーニなどという優雅な名前をつけられたものもある。その他、ココナツミルクで炊いたココナツ・ライス、ライムで酸味をきかせたレモン・ライス、など、さまざまに料理される。もちろん今日では南インドでも盛んに作られるが、南で有名なものは、ポンガルという粗糖のジャグリを入れた甘いミルク粥である。
(参考資料‐朝日新聞社・週刊朝日百科・世界の食べもの)