喫茶特集 「銀座フィオーレ」コックレスフーズのアンテナショップ

1995.10.02 86号 13面

東武系の関越フーズ(株)(東京都豊島区、03・3989・4022)は今年2月、池袋にカフェテラス「銀座フィオーレ」をオープンしたが、ビルの下が地下道になっているため、ビルの一階ではガスが使用できないという制約のある物件であったため、同社としては初の試みとして、店舗設計の段階からオール電化のコックレス対応型厨房でスタートした。

ガスが使えず食材も限定されてメニューバリエーションが思うにまかせない中でも、ターゲットの顧客がビル上階にあるカルチャーセンターに通う主婦層のため、高級感漂う環境と味に十分配慮しなければならない。そのため、コックレスフーズもいろいろ試したが、やはり本格的なレストランの味が出ている樹下夢の商品にした。

「原価は少し割高になるが、職人でなくてもアルバイトの盛りつけで済むことを考えたら、売上げが損益分岐点までいけるのであればコックレスは成功といえる」(中島静雄店舗営業部次長)。半面「コックレスと言っても調理知識がないと通用しない。同じハンバーグを使ってもそれを何種類にも変化させなくてはいけない」(川島直樹店長)と、やはり工夫は欠かせない。

ランチはメーンにサラダ、ライスかパン、コーヒーか紅茶が付いておすすめランチ一〇八〇円、ハンバーグステーキランチ九八〇円など四種。同店の近隣には低価格コーヒーショップやファストフードがあり、平均したら地域の平均は八〇〇円と見られるが、同店のランチ九八〇円も健闘している。味の選定と「コックレスだから、サービス面には最大の注意を払う」という方針が奏功しているようだ。ただ、メニュー設定がメニュー生産をする工場次第となることがしばしばで、定番メニューの設定が難しい、原価が割高という課題もある。

同店は二〇坪、三四席、客単価六八〇円。立地が夜は人が居なくなるところのため、アルコールの出は少なく、ほとんどが軽食と喫茶客。低価格店が乱立する中、本物嗜好で値ごろ感を追求している運営方針が差別化になっている。

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