こんなカクテルがあったらいいね わたし流の楽しみ方

1995.11.06 88号 18面

合同酒精(株)は、若い女性の感性に応えたカクテルブレンダー五種を発売したが、製品開発には入社間もない女性社員三人が参画している。「居酒屋のカクテルはスタンダードなものばかりで面白味がない。おしゃれ感もイマイチ、女性向けメニューがあってもいいじゃないか」などの要求から商品開発をしたという経緯がある。そこで、この三人と同じく開発に携わった男性に登場願い、商品誕生の背景となった彼女達の酒との付合い方をざっくばらんに話していただいた。

入社〓平成7年4月、趣味〓ドライブ、カラオケ、ゴルフ、好きな色〓黄色、オレンジ、緑、好きなカクテル〓マルガリータ、よく酒を飲みに行く店〓北の一丁、自社アピール〓地味だが熱心に良いものを作っている。

入社〓平成7年4月、趣味〓テニス、好きな色〓ブルー、ピンク、よく酒を飲みに行く店〓天狗、天天、自社アピール〓酒の好きな人が集まった楽しい会社。

入社〓平成6年4月、趣味〓生け花、スキー、好きな色〓赤、緑、好きなカクテル〓ジントニック、カシスソーダ、よく酒を飲みに行く店〓天狗、とん太、自社アピール〓知名度は低いが、味には自信がある。

吉田 なぜカクテルか。

青山 おいしそうに見える。人のテーブルに運ばれるのを見て飲みたくなり頼んだりする。

武部 きれいなもの。甘くておいしそうだから。

吉田 私はきれいで甘いのは飲みたくないね。

広谷 アルコールがストレートに来るのは嫌。甘さで飲んじゃう。アルコールを感じないで飲み、酔えるのが良い。

吉田 アルコールを感じなければ酒と思わないが……。

広谷 カクテル選びはネーミングです。色でもピンクっぽいものはハートをイメージさせるが、名前も同じにいろいろ想像させてくれる。

武部 イメージが膨らむものって、メニューを頼む時楽しい。シードリームは、海があり島が浮かぶパラダイスというイメージ。これをきっかけに会話が弾みます。

青山 会話が弾むと、面白そうなものとか、上から順番にどんどん飲んでいく(笑い)

お酒を感じるとそれ一杯で終わっちゃう。

吉田 選んでいる時から楽しんでいるんだね。スタンダードなものでは初めからわかっちゃうわけだ。

モスコーミュール、ジントニックなどは、スタンダードなものとして根強い人気があるんだけど……。

でもバイオレットラブ下さいというのは気恥かしいね。

青山 焼酎下さいというより言いやすい。

武部 可愛い名前だから頼みやすい。

広谷 焼酎のお湯割りというより良い。焼酎じゃこいつ何だか飲んべえと思われちゃう(笑い)

吉田 学生時代と違い、仕事柄酒を飲む機会が多いと思うが、どこへ行きますか。

青山 相手によるけど居酒屋。お酒もあって食べられるところ。

武部 私も相手によるけど、ゆっくりしたい時は大人の雰囲気のバーに行きます。

広谷 居酒屋とかお酒を置いているレストランやイタメシ屋が多い。

吉田 なぜ居酒屋なのか。

青山 お酒を飲んでいる雰囲気が感じられるのが良い。

広谷 ごはんをちゃんと食べられるのが良い。まずサラダが欲しい。あとは焼き鳥、唐揚げや肉じゃがなど煮込み系統。

青山 まず漬けものにおにぎり。

吉田 夕食じゃないですか。

広谷 夕食も兼ねている。

吉田 その時の飲みものは何。

青山 カクテルです。

吉田 漬けものにカクテルかい(笑い)

武部 食べものは食べもの。飲みものは飲みもの。組み合わせでなく、それぞれ好きなものを選ぶ。だから好きなカクテルを飲みます。

広谷 チューハイは嫌。カクテルのように甘いものが良い。

吉田 いろいろな居酒屋へ行っているようだが、行きたくなる店はどんな店かな。

広谷 メニューがいっぱい揃い、カクテルが豊富なところ。

武部 メニューが多く、いろいろ選べるところ。どんなものかという興味をもたせてくれ、カクテルでも、今日飲めないのは次に来て飲んでみようという気がおきる。

広谷 いろいろな店へ行ったが、結局のところ種類も少なく、メニューを見ても、こんなものかとわかってしまうものが多い。

吉田 例えば‐‐。

青山 色です。ピンク系は桃とわかる。

広谷 だから、こうあって欲しい気持ちから、今回の新商品は従来のピンクではなく、ちょっとこだわり赤を入れた。ピーチっぽい色、バイオレットは、想像しやすい色だけど、色的には魅力があるのであえてオリジナルで出した。

吉田 カクテルの色で飲みたくなるなんて、私にはわからない。

吉田 学生時代にはビールに始まりビールに終った。サラリーマンになってから清酒、焼酎も飲むようになったが、飲み始めると、アレコレ飲むことはなく、一筋でいくけど。皆んなはカクテルを飲み続けるのかな。

青山 甘さの感じ方は年齢によって違うので、同じものをずっと飲むことはないでしょうが、カクテルは飲み続けると思う。

広谷 チューハイで甘いものがあれば飲むでしょうが……。

武部 甘い酒は飲み続けるでしょう。

吉田 私にとってカクテルの魅力は、その背景にあるストーリー性、どこの誰が作り、どういういわくがあるかを楽しみ、あとは、静かな雰囲気を味わうことだが……。みんなのように、ワイワイ賑やかに飲んで食べる楽しみ方とはちょっと違う。

今後も居酒屋へ女性がどんどん入り込むことでカクテル需要も高まり、多様化することは確実なようですね。

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