今から間に合うリオ・オリンピック対策(2)簡単スナック編 アウボラーダ・黒澤修二店主
◇ブラジル居酒屋に聞く!今から間に合うリオ・オリンピック対策
リオデジャネイロ五輪が開催される8月5日が近づき、開催国であるブラジルに注目が集まっている。ブラジルはヨーロッパ、アジア、アフリカ、ロシア、中東など世界中から移民が集まっている多民族国家ゆえに、料理の形も各国の影響を受け多様性に富んでいる。しかし、ブラジル料理と言っても日本ではシュラスコばかりが取り上げられがちで、実態をつかみにくい。そこで、さまざまなブラジル料理を紹介し、今すぐ簡単にできるブラジル料理の秘訣を、東京・吉祥寺の名店「アウボラーダ」店主の黒澤修二氏に聞いた。
◆コシーニャ
見た目も特徴的な代表的軽食
涙滴形をしたブラジル版一口コロッケで、ササミ状の鶏肉を中身の具に使用し、マッシュしたキャッサバ芋で周りを包んで揚げたもの。ブラジルの代表的な軽食として街角のスタンドなどでも気軽に提供されている。
○黒澤店主コメント
この料理は、味を付けた鶏肉を細かく裂いた後に、練り込まずに包み込むことが通常のコロッケとの大きな違いだといえます。衣に関しても、ブラジルの細かいパン粉を使用しているので、油がしつこくならずに食べやすくなっています。
◆焼きチーズ
グリルで簡単ブラジル風に
ブラジルではチーズが盛んに食べられており、焼いて食べることも一般的。特にミナス・ジェライス州発祥のミナスチーズは高品質なフレッシュチーズとしてブラジル国民に愛されている。
○黒澤店主コメント
本場ではモッツァレラ風のミナスチーズを焼きますが、入手困難なため、私はプロセスチーズを焼いて提供しています。アルミホイルに油を薄く引いて、魚焼き用グリルでも簡単にできますのでお薦めの料理です。
◆パルミット
タケノコに似たヘルシー食材
ヤシの新芽を酢漬けにしたもので、軟らかなタケノコのような食感が特徴。酸味が利いておりピクルスのような味わい。繊維質が豊富でミネラル、プロテイン、ビタミンB、Cを含んだ低カロリー食品としても知られている。
○黒澤店主コメント
ブラジルでは野菜感覚で親しまれていて、サラダの材料にするのが最もポピュラーな食べ方です。また、同品を刻み、トマトなどと調理してからパステウの具にするのも人気があります。
◆パステウ
アジアルーツの人気料理
ブラジル風揚げギョウザといえる、ブラジルの人気の軽食。中身は多種ミンチやチーズ、フルーツなどデザート系までさまざまで、それをイタリアギョウザの皮で包んで揚げたもの。アジア系からの影響が色濃く、日系人をはじめとしたアジア系人種が提供していることが多いという。
○黒澤店主コメント
アジア系の影響が強い料理なため、ブラジルの屋台ではアジア系の店員が販売していることがほとんどです。それだけに日本人にもなじみやすい人気の料理です。サラダ油で揚げるだけですので、オペレーションも簡単です。
●プロフィール
アウボラーダ・黒澤修二店主
くろさわ・しゅうじ 1965年群馬県生まれ。「ゴルフダイジェスト」編集者を退職後、南米旅行でブラジル料理に出合い感動。2004年、東京・吉祥寺にブラジル料理店「アウボラーダ」を開店。“ブラジル居酒屋”として現地の料理を幅広く提供している。15年12月、「ブラジル文化の紹介に貢献した」として、東京ブラジル領事館から「ブラジル文化に対しての愛の感謝状」(直訳)を受賞(受賞は都内4店舗)。
●店舗情報
「アウボラーダ」 所在地=東京都武蔵野市吉祥寺本町1-32-9 モトハシビル地下1階