女性店主に聞く!女性をつかむラーメン最前線:好日 ミシュラン掲載の王道の逸品
「らあめん」700円(税込み) 実力現れるシンプルさ
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●地元で15年間家族のような店
東京・東中野の住宅街で開業して15年間、地元に愛されてきた名店「好日」。シンプルにこだわった「らあめん」でミシュランガイド・ビブグルマンを獲得し、食通にも認められた味だ。天然素材にこだわり、麺も自家製の優しい味わい。男女比は4対6で、平日には会社帰りの女性常連客が多く足を運ぶ。週末には家族連れでにぎわいを見せ、3世代で訪れる客も珍しくない。
もともと東京・国分寺で15年間、夫婦でラーメン店をしていたという宗松由美子店主。しかし、現在の場所にあった自宅を改装して新規開店をする矢先に夫が亡くなり、以来宗松店主とパートの女性スタッフの2人体制で店を支えてきた。
「“家族で来られるお店にしたい”という思いは、亡き夫の願いでもありました。そのために、どうすれば女性や子どもも垣根なく来てくれる店になるかを試行錯誤しました」と、宗松店主が語るように、幅広い層が一緒に楽しめる店舗にするために、メニューから雰囲気作りまで細かく配慮している。
メニューは、シニアから子どもまで安心して誰でも食べられるように、安全な天然素材に極力こだわる。ホタテと干しエビから取っただしと、丸鶏を使用したガラスープのWスープは、毎朝4~5時間かけて煮込み、うま味を抽出。麺も、前日の朝に作り一晩寝かせた自家製麺を使用している。具材は、ネギとチャーシュー、メンマと焼きのりのみ。「らあめん」という名前の通り、シンプルな「王道」と言えるラーメンに仕上がっている。しかし、一つ一つの素材を丁寧に下ごしらえした味わいは、優しいながらダイレクトにうま味を伝え、胃でも心でもホッとするような逸品となっている。
「くつろげるお店にしたい」と宗松店主が語るように、カウンター席を廃し、テーブル席のみの明るい店内は、ラーメン店ながら女性でもゆったりとできる空間を意識。開業当初から店内禁煙にし、メーン層だった男性客は喫煙者が多かった時代から、子どもや女性が安心して入れるように配慮している。
「今は、自分が楽しんでお店をやることを第一に考えています」と宗松店主は現在の目標を語る。3世代の家族連れから、果ては店主自身まで、全員が居心地の良いラーメン店として地域に癒しを提供している。
●店舗概要
「好日」 所在地=東京都中野区東中野1537 MKハウス1階/開業=2001年/営業時間=月~金 午前11時30分~午後2時30分、5時30分~8時30分、土 午前11時30分~午後2時30分、日・祝日定休/坪数・席数=約17坪・22席/1日平均客数=約100人