アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:AIによるトレンド予測が実用化へ
ファッション業界でも最近はAI(人工知能)の活用が注目されています。特に、近い将来のトレンドが予測できれば、消化率が上がって効率化が期待できます。今回はそんな“夢”の実現に一歩踏み出した起業を紹介します。
今年1月に起業したばかりのファッションポケット(東京・重松路威社長)は、ファッションの画像をすでに500万枚もAIエンジンで解析。最新トレンドや海外のコレクションの情報などを収集し、アイテムやカラー、柄、着こなし方、スタイリングを分析する技術を確立しています。現在はこれらの細分化や、素材の解析までの技術を開発中です。
具体例として、定番だった白の人気は過去2年で低下し、2017年冬には赤にシフト。模様は例年冬から春先のトレンドであるチェック柄が過去3年で広がり、最近はドット柄に人気が移りつつあるそうです。こうした傾向から、18年春夏の流行の色は緑とピンク、柄はドットとチェック、花と見ていました。
このような情報で商品の企画や品揃え計画を支援するサービスを、19年春夏向けから開始。すでに大手のアパレル企業やセレクトショップ数社に提供を始めています。同社によれば、商品の定価(建値)での消化率で10%の改善を目標としています。
技術的には2年先まで予測可能ですが、サービスは半年~1年先までとし、効果を測定していくそうです。こうしたトレンド予測はアパレルだけでなく、他産業でも活用できそうですね。
(繊研新聞 本社編集部長 矢野剛)