業界TOPICS:オーシャンシステム、弁当・惣菜工場のHACCP導入 JFS規格で実践

2020.05.04 495号 07面
人手によって弁当を製造していく(オーシャンシステムのHPから)

人手によって弁当を製造していく(オーシャンシステムのHPから)

 HACCPに沿った衛生管理の制度が6月から施行される。日配弁当の製造・販売を行うオーシャンシステムのランチサービス事業部・群馬店は2月6日に食品安全マネジメント協会が要求事項を定めている、フードサービス分野向けJFS規格の適合証明を、食品安全でコンサルティング、監査を行うアース環境サービスに相談し、指導を受けて取得。JFS規格は国のHACCP制度化にも対応でき、従業者の意識向上につながるという。

 ●オーシャンシステムの紹介

 新潟県三条市に本社を置くオーシャンシステムは、日配弁当の製造・販売のほか、食品スーパーや食材の宅配サービスなど幅広い事業を手掛ける。ランチサービス事業部は、当日調理・盛り付けの栄養バランスに配慮した日替わり弁当をオフィス・工場に届けている。もともとHACCPの手法に取り組み、洗浄殺菌や手洗いなど一般衛生管理を基本にして、製造工程ごとに厳しく管理していた。

 ●アース環境サービスとの付き合い

 工場や店舗の衛生監査から付き合いのあるアース環境サービスの指導で、取引先からの信頼が高まる第三者認証のJFS規格の適合証明取得に向けて活動してきた。

 ●HACCP導入の難しさ

 弁当に使う個々の食品は「蒸す」「炒める」「焼く」「茹でる」「揚げる」と加熱だけでも多様で、同じ食材でもメニューによってその調理方法が変わる。そのため、HACCPの計画を立てにくい。

 ●HACCPとJFS規格で何をしたか

 アース環境サービスは、製造工程をすべて分類、整理し、工程ごとに食品安全に必要な管理手段をまとめた。HACCPに要求される記録を徹底し、JFS規格に必要な原材料調達先から販売先までの情報管理をできるようにした。「記録がなぜ必要か」を徹底的に従業者に説明したという。安全性を確保するのは「人」と位置付ける。「人」の力を高めることは企業活動全体にも好影響を与える。オーシャンシステムはJFS規格の水平展開も検討中だ。

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