惣菜弁当研究所:ローカル紀行 北海道 甘党の道産子を魅了する「小豆あんこ&金時甘納豆」

2020.06.01 496号 07面
サザエ「お楽しみセット」税抜き320円

サザエ「お楽しみセット」税抜き320円

スーパーアークス「甘納豆がぎっしりつまったお赤飯」税抜き398円

スーパーアークス「甘納豆がぎっしりつまったお赤飯」税抜き398円

コープさっぽろ「おにぎり(赤飯金時)」税抜き128円

コープさっぽろ「おにぎり(赤飯金時)」税抜き128円

東光ストア「甘納豆入り赤飯」税抜き298円

東光ストア「甘納豆入り赤飯」税抜き298円

 北海道の「サザエ」(67店舗)といえば、十勝産小豆にこだわった「おはぎ」が有名だが、おはぎに次いで「お楽しみセット」が名物であることは、あまり知られていない。商品内容はサザエ名物の「赤飯・おはぎ・いなり・太巻き」をセットにしたもの。1998年ごろに商品化されて以来、詰め合わせ商品では不動の人気を誇る。

 サザエは1957年、函館朝市の食堂として創業。おはぎが人気を呼び和菓子店に転換。多店舗化に伴い赤飯・太巻き・いなりが主要商品に育った経緯がある。いわば「お楽しみセット」はサザエ史の凝縮であり、北海道に育まれた定番の味そのものなのだ。

 おはぎの小豆(あんこ)は、十勝産かつ十勝工場で十勝の職人によって作られる十勝尽くしが自慢。糖度52度前後で甘口だが、塩気も利いており、道民好みの「甘しょっぱい」が特徴だ。太巻きは、厚みがあり甘口の卵焼き・キュウリ・紅ショウガのハーモニーが絶妙。いなりは、酢飯(甘酢)を包む揚げ皮のしょっぱさ(醤油)と甘さ(甘味)が程よく、サザエ伝統の味。赤飯は、道産もち米と十勝産小豆を合わせた伝統あるごちそう。

 地元では見慣れすぎて目立たず、観光グルメやメディア紹介とも無縁だが、紛れもなく北海道を代表するご当地商品の一つだ。

 『ご当地弁当惣菜ガイド』(2019年4月発行)から引用

 ※商品内容や価格が異なる場合があります

 ●見慣れすぎて目立たない名物

 「お楽しみセット」税抜き320円/約260g

 販売実績:日販・500~1,000食

 shop「サザエ」 経営:サザエ食品(株)(本社・札幌市中央区)

 ●驚いて立ち止まる金時豆70個

 「甘納豆がぎっしりつまったお赤飯」税抜き398円/約446g

 shop「スーパーアークス」 経営:(株)ラルズ

 インスタ映えを狙ったトライアル商品。隙間なく敷き詰められた金時甘納豆は全部で約70個。栗2個の彩りも映える。多くの客が驚いて立ち止まる。

 ●金時甘納豆の表記や誇張は無用

 「おにぎり(赤飯金時)」税抜き128円/約123g

 shop「コープさっぽろ」 経営:生活協同組合 コープさっぽろ

 パッケージの外見では分からないが、赤飯おにぎり裏側の窪みに金時甘納豆が3つ潜んでいる。地元では表記や誇張が無用なほど、金時甘納豆の存在が認知されている証しだ。

 ●食紅と金時甘納豆の基本形

 「甘納豆入り赤飯」税抜き298円/約261g

 shop「東光ストア」 経営:(株)東光ストア

 食紅を用いたピンク色の赤飯に、金時甘納豆をのせた北海道赤飯の基本形。戦後、光塩学園女子短期大学の初代学長・南部明子先生が、母親の作っていた赤飯を再現。調理教室やテレビ出演などで紹介し道内に広まったという。

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