ワケありの盛り付け:FFっぽい特注紙容器が目を引く 商品力あってのパロディー戦略
「フライドれんこん磯辺風味」700円(税抜き) 特注の紙容器で遊び心をアピール
東京・上野の名所、不忍池といえばハスの花が夏の風物詩。江戸時代には、この池で収穫されたレンコンを将軍家に献上したという。そうした歴史を背景に、レンコンを使った数々の創作料理を提供するレンコン料理専門店がアメヤ横丁に店を構える「れんこん」だ。
熊本発祥の「からしれんこん」や洋食風にアレンジした創作料理など20品以上をラインアップ。ひときわユニークな一品が、某ファストフードチェーンのフライドポテトを彷彿とさせるビジュアルが特徴の「フライドれんこん 磯辺風味」だ。
「レンコンはもともと油との相性のいい食材。誰もが知っている商品をあえて連想させることで、味のイメージもしやすくなると考えました」と、オーナーの菅谷潤さんは語る。
紙容器はもちろん特注。白・赤・黄の色使いに「R」の文字が目を引く。また、スティック状にカットされたレンコンの太さも見慣れたフライドポテトとの差別化を強調。商品イメージをいったんポピュラーな商品に近づけて親近感を持たせながら、商品の独自性が明確になる心理効果をうまく利用している。
食べるとトウモロコシに近い香り豊かな甘い味が、たっぷり振りかけた青海苔の香ばしさと相性抜群。シャキシャキした歯応えがクセになる味で、年齢を問わず評価が高い。
●店舗情報
「れんこん」 所在地=東京都台東区上野4-9-1