業界ニュース:ハウス食品グループ本社、初期費用なしでキッチンカーを導入
調査実証では、ローストビーフ丼、ハンバーグ弁当などの肉系メニューが人気を呼んだ。また、スペインクラブ店主の実感では、「(キッチンカーの販売は)やはりご飯ものが響いている印象」。写真は同店で提供している
●画期的なプラットフォーム事業登場
ハウス食品グループ本社は、キッチンカーの導入から運営までをトータルでサポートするサービス事業「街角ステージweldi(ウェルディ)」を開始した。
飲食事業者がキッチンカーによる販売展開を考えたとき、これまではキッチンカーの購入やリースに必要な「初期費用」や、キッチンカーを配置する「販売スペースの確保」、また、実店舗を持たない事業者は調理をする「仕込み場の確保」など、高いハードルがあった。「街角ステージweldi」は、これらを一括で提供。キッチンカー、販売場所となるスペース、メニューを調理する場所を同社が提供することで、飲食事業者は多額の初期費用をかけずにキッチンカーの販売に乗り出すことができるのだ。
キッチンカーと出店スペースは週1日から、最短3ヵ月からレンタル契約でき、登録料などの初期費用は無料。1日の使用料は、「売上げの25%+5000円」、仕込み場所のセントラルキッチン(新宿区)も使用する場合は「売上げの35%+5000円」を同社に支払うシステムである。一方、販売場所となるスペースも募集しており、スペースオーナーには同社から売上げの8%が支払われる契約となる。
出店の立地は、当面は東京23区内でオフィスワーカーや近隣居住者が多いエリアを中心に展開する予定。3月現在、西新宿、馬喰横山、青山などに、平日11時30分~14時のランチの時間帯で出店スペースを用意し、キッチンカーは6台保有しているが、2022年までに15台体制を目指す。
同事業の調査実証から参画し、出店を継続している本格スペイン料理店「スペインクラブ」の例では、パエリア弁当2種(各800円・税込み)、ハヤシライス弁当(900円・同)の3つのメニューを中心に提供。西新宿エリアでは日販平均25食、オフィス街エリアでは40食で、今後は西新宿50食、オフィス街60~80食の販売を見込んでいる。