飲食チェーンの新戦略:築地玉寿司 老舗寿司屋の「酒場」展開

2024.02.05 540号 16面
北海特撰にぎり 4,180円(税込み) ウニ、イクラ、中トロ、白身、ボタンエビなど11貫。価格設定は「玉寿司」よりも少し安価で想定客単価は1,000円程度低い

北海特撰にぎり 4,180円(税込み) ウニ、イクラ、中トロ、白身、ボタンエビなど11貫。価格設定は「玉寿司」よりも少し安価で想定客単価は1,000円程度低い

特上塩から巻 550円(税込み) 刻みワサビをトッピングした細巻きで日本酒に合う

特上塩から巻 550円(税込み) 刻みワサビをトッピングした細巻きで日本酒に合う

のどぐろ焼き挟み巻 990円(税込み) 丁寧にあぶったのどぐろを手巻きで食べる名物メニュー。ちなみに円錐形の手巻き寿司は1971年に「玉寿司」が初考案した

のどぐろ焼き挟み巻 990円(税込み) 丁寧にあぶったのどぐろを手巻きで食べる名物メニュー。ちなみに円錐形の手巻き寿司は1971年に「玉寿司」が初考案した

オープンキッチンを囲むようにカウンター席を設置

オープンキッチンを囲むようにカウンター席を設置

ストーリー性のあるユニークな落書きを施すなど、幅広い層が気軽に楽しめる場を演出

ストーリー性のあるユニークな落書きを施すなど、幅広い層が気軽に楽しめる場を演出

 ●銀座で日常的に“寿司で一杯”

 創業100周年を迎える「築地玉寿司」は、「築地すしくろ 銀座インズ店」を1月、オープンした。同店は「築地玉寿司」が展開する寿司酒場で、横浜ジョイナス店に次ぐ2号店。「玉寿司」がビジネス客を中心に支持されているオーソドックスな寿司屋なのに対し、「すしくろ」は「寿司、刺身だけでなくお酒に合う一品料理を揃えた、海の幸をおいしく食べられる酒場です。『普通の居酒屋よりももう少し上のおいしいものを食べたい』というシーンで利用していただくイメージ」と、同社の中野里陽平代表取締役は言う。

 同店は銀座のメインストリートから少し外れた“裏銀座”エリアに立地し、「銀座の寿司屋というと表通りではいくら取られるかわからない(笑)。銀座にも気軽に立ち寄れる寿司屋があってもいい、と考えた」(中野里社長)。また、ロボットが握る回転寿司店が人気を集めている現状、「きちんと修業をした板前が手間をかけて料理を提供する点を重視している」(同)と言う。

 店内は調理場を囲む大きなカウンター席と、奥にはテーブル席を配置。シックなレストラン風だがかわいらしい落書きが施されているなど“ユルカワ”感が好ましく、女性一人でも利用しやすい。老舗寿司店が展開する“気軽に立ち寄れる寿司酒場”というわけで、今後の店舗拡大には大いに期待が持てる。

 ●店舗情報

 「築地すしくろ 銀座インズ店」

 所在地=東京都中央区銀座西3-1番地先銀座インズ1 地下1階/坪数・席数=43坪・50席/営業時間=11時~22時/平均客単価=昼2,000円、夜6,000円

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