海外通信 外食ビジネスの新発想(95)日本発・生ドーナツがNY進出

2025.12.01 562号 13面
(1)シグネチャーの生ドーナツ 4$ (C)I'm Donut? times square

(1)シグネチャーの生ドーナツ 4$ (C)I'm Donut? times square

(2)リング状ドーナツ各種 5~7$ (C)I'm Donut? times square

(2)リング状ドーナツ各種 5~7$ (C)I'm Donut? times square

(3)キャラメル・エクスプレッソ・クリーム(キャラメル・エスプレッソ・クリーム入りチョコレート・ドーナツ) 9$ (C)I'm Donut? times square

(3)キャラメル・エクスプレッソ・クリーム(キャラメル・エスプレッソ・クリーム入りチョコレート・ドーナツ) 9$ (C)I'm Donut? times square

(4)酒クリーム(ドライ純米酒とシャンティクリームのフィリング入りオリジナル生ドーナツ) 10$ (C)I'm Donut? times square

(4)酒クリーム(ドライ純米酒とシャンティクリームのフィリング入りオリジナル生ドーナツ) 10$ (C)I'm Donut? times square

(5)抹茶クリーム(ソフトな抹茶クリーム入り生ドーナツ) 10$ (C)I'm Donut? times square

(5)抹茶クリーム(ソフトな抹茶クリーム入り生ドーナツ) 10$ (C)I'm Donut? times square

(6)パッケージ (C)I'm Donut? times square

(6)パッケージ (C)I'm Donut? times square

(7)塩味(食事)ドーナツ各種 9~13$ (C)I'm Donut? times square

(7)塩味(食事)ドーナツ各種 9~13$ (C)I'm Donut? times square

(8)クリーム・ドーナツ各種 7~11$ (C)I'm Donut? times square

(8)クリーム・ドーナツ各種 7~11$ (C)I'm Donut? times square

店内は明るく清潔。ドーナツ店には見えないブティック風インテリア (C)I'm Donut? times square

店内は明るく清潔。ドーナツ店には見えないブティック風インテリア (C)I'm Donut? times square

 ●ハイエンドの「I’m Donut?」 ふんわり、口の中でとろける生ドーナツ

 アメリカ人は、ドーナツが大好き。毎年100億個のドーナツを食べるという。朝食として、スナックとして、デザートとして、夜食として、パーティーや集いの場など、ドーナツが登場する場面は多々ある。駅など交通の要点には、必ずやドーナツ・ショップがある。通勤客や旅行客がドーナツとコーヒーを買って乗り込むか、職場に持って向かうのを狙っているのだろう。特にニューヨークはドーナツ競争が激しい。「ダンキン・ドーナツ」や「クリスピークリーム」などのチェーン店のほか、「ドーナツ・プラント」や「ドーナツ・パブ」などの専門店や多くのベーカリーが提供している。

 さて、この熾烈な競争に新しく加わったのが、日本発のハイエンド・生ドーナツ店、「I’m Donut?」だ。今春、ニューヨークはタイムズスクエアの繁華街に、華々しくオープンした。ジュエリー・ショップのようなたたずまいで、明るく清潔で奥行きの深い店内には、ニューヨーク州北部から運び入れたという巨大な岩のテーブルがある。

 同店の生ドーナツとは、「数種類の小麦と丸ごと焼いたカボチャを練り込んで仕上げた生地を長時間低温熟成発酵させ、高温で一気に揚げることで、モチモチしていながら、口の中で“ふわしゅわ”と溶けるような新しい食感を実現」したドーナツだ。日本の店舗と同じ味、品質、一貫性をアメリカの顧客に届けるため、独自のレシピをNYに日本から持ち込んだという。タイムズスクエア店限定フレーバーとして開発したのは、「酒クリーム」、「キャラメル・エスプレッソ・クリーム」、「ピーナッツバター&ジャム」、リングドーナツの「ストロベリーホワイトチョコレート」、「ピスタチオ」、「グレーズド」そして、「NY BLT」。

 NY店で最もポピュラーなドーナツは、「オリジナル」。日米共に断トツのベストセラーで、「シンプルで新鮮、最高品質の素材で作られる同店の真髄を体現」ということだ。続く人気商品が、「抹茶クリームドーナツ」。アメリカの一般的なドーナツ店では味わえない日本の伝統的な風味が喜ばれているという。また、塩味ドーナツにも強い需要があり、特にNY店限定のベーコン、卵、トマト、レタス入りの「NY BLT」は、サンドイッチの味わいをドーナツで再現したユニークな商品として注目を集めている。

 ドーナツは一般的に庶民感覚のスイーツだが、同店のドーナツは最もシンプルなオリジナル生ドーナツが、1個4ドル(現在の1$=152¥レートで608円)、リング状のストロベリーチョコレートが7ドル(同1064円)、抹茶クリーム入りの生ドーナツが10ドル(同1520円)、NY BLTドーナツが13ドル(同1976円)と高価だ。それでも、開店前に店の前に人が待っている。ハイエンド・ドーナツの品質の高さとユニークなフレーバーが集客するのだろう。

 それにしても、最近、日本からの進出が目立つ。ユニクロのコーヒーショップが五番街のフラッグシップ店内にオープン。「ナナズ・グリーンティー(Nana’s Green Tea)」もNYではミッドタウンにオープン、いつも混んでいる。アメリカ国内に6店、世界各国で約20店展開している。京都が拠点の「%Arabica」は、NYの4店を含め、アメリカ国内に5店、全世界に233店進出している。

 (外海君子)

 ●店舗情報

 「I’m Donut?(アイム・ドーナツ?)」

 所在地=154 West 45th Street New York NY

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