関西版:癒やし空間で味わうこだわり食材、しゃぶしゃぶ新提案 「しゃぶ鍋うどんのらや」

2009.06.01 358号 10面
モチモチの九州産豚肉とモチモチ食感のうどんをしゃぶしゃぶで

モチモチの九州産豚肉とモチモチ食感のうどんをしゃぶしゃぶで

店内は木のぬくもりがあふれるほっこり空間

店内は木のぬくもりがあふれるほっこり空間

 関西圏を中心に、郊外店を展開する「手打草部うどんのらや」が、「ヘルシーにしゃぶしゃぶを食べてもらいたい」(池尾眞美社長)と、新業態「しゃぶ鍋うどんのらや」を4月末、大阪ミナミのナンバCITYに開いた。かつおだれ、カレー、トマト3種類のつけだれで食べる「しゃぶ鍋うどん」を新提案している。

 猫をトレードマークに13年前に生まれた「のらや」では、モチモチのうどん、発芽玄米や黒米おにぎりが、野良小屋のような手作り感あふれる空間で楽しめる。枕崎産の鰹節と3種類の節をブレンドし、利尻昆布を16時間かけて水出ししただしも味の決め手だ。食材にこだわり抜く「愚直なうどん店」(池尾社長)のほっこり空間は、小さな子ども連れのヤングファミリー層に圧倒的な支持を受けてきた。

 お酒としゃぶ鍋が楽しめる新業態は、女性客やカップルをターゲット層に据え、食材にはさらにこだわっている。新たに「石臼挽きうどん」を開発し、うどんも刷新。通常店舗では真っ白の小麦で透き通るような自家製うどんを提供するが、少し黒みがかったしゃぶ鍋店のうどんは、外皮が残った小麦を石臼でひいたもの。北海道と長野県産の小麦をブレンドし、塩だけで仕上げ、モチモチ感は一層強まった。

 ミネラル分や食物繊維もたっぷりで、小麦本来の香りが特徴のうどんだ。鍋には、枕崎産の鰹節と利尻産昆布から時間をかけて丹念にとる透き通った「黄金だし」がたっぷり注がれ、九州産豚肉やカモ肉など好みの肉をしゃぶしゃぶする。大根、ニンジン、白ネギやなんばネギなど7種類の野菜や、厨房で仕込む北海道産大豆の豆腐も一緒に味わえる。

 同社の新業態への思いはひとしおで、「おいしいものを出したいとメニュー開発を進めたら、他店舗と比べて原価コストがかかっている」(店舗開発者)としながらも、石臼挽きうどんと黄金だしをしっかり食べてもらいたいと、食べ放題(1980円)も設定し、通常店で一番人気の「わがままうどん天食」(950~1050円)も石臼挽きうどんで提供している。

 開発当初、居酒屋使いも期待し、それに沿ったメニューを揃えた店にしたが、開店から1ヵ月、来店客の70%以上はしゃぶ鍋をオーダーする。木のぬくもりあふれる癒やしの空間でほっこりと、夏場もヘルシーにしゃぶしゃぶを食べてほしいと現在、新商品の開発も進めている。

 ◆「しゃぶ鍋うどんのらや」(大阪市中央区難波5-1-60、電話06・6644・2938)営業時間=午前11時30分~午後4時、5時30分~11時/平均客単価=2000円/目標月商=1000万円/アルコール比率=18%

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