デイリーヤマザキ、弁当を大型・値ごろ価格へ転換 新店開発は質重視

2010.06.07 373号 05面

 デイリーヤマザキは、重点商材である弁当をグラム単価重視の1g1円以下とするボリューム弁当開発に力を入れる。新店開発は「量より質重視」で特殊立地など高い日販の確保ができる物件を厳選する。店内調理加工「デイリーホット」併設店比率を早期に50%以上にし、他チェーンとの差別化を鮮明にする計画だ。

 09年12月期は店舗数1633店(前年比14店減)、全店売上高2220億円(0.4%減)、営業総収入632億円(3.6%増)、営業利益1億円(90.9%減)。新規出店は計画を上回る103店に達したが、閉店数が117店と上回った。タスポ(成人識別たばこ自販機ICカード)効果一巡、冷夏、低価格化による既存店売上げの落ち込みが響いた。

 弁当は前期に298円の小型弁当を発売したが短命に終わった。他チェーンに比べ男性客の比率が高いため、満腹感が得られない小型弁当は敬遠されたからだ。下期から1g1円以下のボリュームと値ごろ価格を兼ね備えた弁当開発に転換したことで、今期に入り米飯売上げが前月比で上向いてきたという。

 このほど2週間限定で「弁当増量セール」を実施し、から揚げ弁当、牛カルビ弁当はご飯を40g増量し300g、から揚げも6個を7個に増やした。また、前期も行った各地の人気弁当を販売する「デイリー食紀行フェア」も実施。これらで男性客の来店頻度を高め、米飯売上げ増加を狙う。

 前期に「デイリーパスタ」ブランドに統一したパスタ、冷やし調理麺は有名店との共同開発で低価格路線から転換を図る。カウンターFFは販売数量を伸ばすセット割引きなどの販促策を検討。

 デイリーホット導入店は490店、小型デイリーホット(発酵機なし)導入店は253店、合計743店(構成比45.5%)が店内手作りのパン、調理パン、弁当を販売している。親会社の山崎製パンによる省スペース・低コストの焼成機器、冷凍パン生地の供給で、2~3年後には1000店まで増やす計画だ。

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