メニュートレンド:宅配京都ラーメン スープと麺を別々に届ける宅配システムが人気「二代目五山」

2011.03.07 384号 01面
店舗・宅配ともに一番人気の「厚切り炙りとろ肉ラーメン」730円。宅配スタイル(写真手前)でも、80度C以上のスープ温度をキープ。配達手数料1回150円(1500円以上利用の場合は無料)

店舗・宅配ともに一番人気の「厚切り炙りとろ肉ラーメン」730円。宅配スタイル(写真手前)でも、80度C以上のスープ温度をキープ。配達手数料1回150円(1500円以上利用の場合は無料)

 昨年4月、京都にオープンした「二代目五山」は、京都産豚肉で作るチャーシューが特徴の「とろ肉ラーメン」が看板の店。店内での飲食とともに、新しい宅配システムも取り入れ、順調に業績をアップ中である。今年の3月からは、この宅配システムを、他業態の飲食店にも提案。宅配のFCをサイドビジネスにする、運営メリットを呼びかけている。

 二代目五山がアピールするとろ肉ラーメンの主役は、京都府亀岡市で飼育する「京のもち豚」を使用した、自家製チャーシュー。肉のうま味を残しつつ、口の中でトロリと溶ける味わいが評判である。

 スープのベースは、豚骨と鶏がらから炊き出した、マイルドな白湯スープ。さらに、こだわりの「熟成醤油ダレ」を合わせることで、コクとうま味のバランスが取れた味に仕上げている。また、よりスープに合う麺として、オーダーメードの細麺を使用している。

 オープンしてまだ1年未満ながら、以前に同地にあった店舗に比べて、前半期の売上げで160%アップしているという同店。その一端を担っているのが、今までの常識を覆す宅配システムである。

 従来のラーメンの出前といえば、丼に入った商品にラップをかぶせて持ってくるもの。よほど近所でなければ、麺が伸びたりスープが冷めたりというイメージは免れない。しかし、同店の場合は、丼にゆでた麺と具材をセットし、スープは保温容器に入れて持参。到着後、目の前でスープを注ぎ提供する。使い捨ての耐熱容器を使用するため、器の回収の手間がかからないのもメリットである。

 麺には、より伸びにくさに配慮した、宅配用の特製麺を取り入れて対応。41分以内の配達を目安にエリアを設定し、従来ならフォローしにくい地域への宅配も可能にしている。

 「京都のラーメン店では初の宅配システム。熱々が楽しめると、スタート時から大きな反響があり、近隣のオフィス需要のほか、ファミリーや単身者からの利用も伸びています」と、梅津久和店主。最初は月50万円の売上げだったが、いまでは4倍まで成長。店舗と宅配の複合型ならではの相乗効果も感じられるという。

 さらに同店では、この宅配システムのFC化を企画。既存の飲食店の、サイドビジネスとしての参加を提案している。ラーメンに関わるアイテムやノウハウは同店が提供するため、厨房設備があれば、設備投資不要で気軽にスタートできる。あくまで本業との両立を目指す、宅配だけのFCというわけで、すでに引き合いが出始めているという。

 今後は、全国を視野に、宅配システムを広げていきたいという同店。3年以内には、FC加盟店100店舗が目標である。

 ◆店舗情報

 「二代目五山」 所在地=京都府京都市伏見区横大路下三栖辻堂町13、電話075・602・9488/開業=2010年4月/営業時間=午前11時~午後11時半LO(宅配=11時受付けまで)、無休/坪数・席数=約40坪・39席/1日来店客数=平日200~250人、週末約400人。宅配利用件数40~50件/平均客単価=約1000円/平均月商=店舗約500万円、宅配約200万円

 ◆愛用資材・食材

 マルテン醤油「うすくちしょうゆ」

 日本丸天醤油(株) 兵庫県たつの市揖保川町半田672

 新しい京都ラーメンを目指し、バランスの取れたおいしさにこだわる同店。スープには、「熟成醤油ダレ」を合わせて調和させているのもポイントだ。そのたれのベースに使用しているのが、マルテン醤油「うすくちしょうゆ」。甘味がありマイルドな味わいが魅力で、より同店のスープになじみやすい商品として利用している。

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