メニュートレンド:金時生姜鍋 料理すべてにショウガ使用の専門店「ぬくり」
秋から冬の需要アップを目指し、鍋メニューが出揃う頃。大阪市福島区の「ぬくり」は、素材の専門性で勝負する、ショウガ料理専門店である。看板メニューは、だしから薬味まで、ショウガのエキスがたっぷり入ったショウガ鍋。2010年のオープン以来、女性からの支持が上昇中の、注目のメニューである。
◆ヘルシー感ある鍋を看板に女性客7割一品のアイデア料理も開発!
女性客が7割というぬくりは、エステサロンがプロデュースする店。ショウガの殺菌作用や代謝促進作用に着目し、「体の中からきれいになろう」をテーマに、2010年オープンした。
同店の売りは、すべてのメニューにショウガが入っているという徹底ぶり。グランドメニューやお薦めメニューなど、約40種類の料理は、ショウガをダイレクトに感じるものから、たれなどに活用したものまで、さまざま。ケーキなどのデザートやドリンクにも、ショウガが取り入れられている。
メニューのなかでも人気なのが、風味たっぷりの鍋メニュー。高知県産の大ショウガを使った「大生姜鍋」(1764円、1人前)と、愛知県産の金時ショウガを使った「金時生姜鍋」(1974円、同)が用意されており、支持率が高いのは、金時ショウガの方。大ショウガに比べて、コクや辛味が強めなのが特徴である。
鍋のスープは、醤油ベースに、乾燥させたショウガスライスを加えただし。煮立ったところに、さらにショウガの絞り汁を入れると、鍋から香りが立ち上り、臨場感もたっぷり。このだしで具材を煮て、素材とショウガのマッチングを楽しむのだ。
同店で使用するショウガは、各産地ごとに1件の契約農家の産物に限定。生産者の顔が見える安心感と、素材の風味の安定感により、1年を通じて自信あるメニュー展開が可能になるという。
看板メニューが鍋だけに、夏場は客足が落ちるもの。その克服のため、今夏は、夏バテと美白に着目した、ショウガとトマトの限定鍋も開発。暑いからこそ、鍋で体調回復をというお客に人気が出たという。その他、はじかみショウガをそのままカツに仕立てた、「はじかみカツレツ」(661円)などのアイデアメニューも好調。1品単価を275円から設定するなど、手軽さでも訴求している。
「ショウガは、酒との相性もよく、まだまだ可能性を追求できる食材。今後も新メニューを出していきたい」と、店長・料理長の山口順平さん。デザートまですべて自家製のスタンスは守りつつ、よりショウガの魅力を広げていきたいという。
●店舗情報
「ぬくり」 所在地=大阪府大阪市福島区福島7-7-9、電話06・6451・3588/開業=2010年9月/営業時間=午後5時~11時(金・土12時)、無休/坪数・席数=約20坪・26席/客単価=約3500円/1日来店者数=約20人
●愛用資材・食材:「美ら海の塩」(ちゅらうみのしお)
ジャパンソルト(株) 東京都中央区京橋2-8-18
ショウガとの相性もよいまろやかな味わい
海外産天日塩と沖縄の海水で製造。ミネラル豊富で、多少甘味のあるまろやかな味わいが特徴である。塩辛すぎず、ショウガとの相性もよいため、同店では、オープン時より同品を愛用。全体の味付けに使用するほか、乾燥させたショウガとブレンドした「ショウガ塩」として、味の決め手としても活用している。
規格=450g