メニュートレンド:韓国うどん専門店が登場 「兄弟カルククス」
韓国の麺料理「カルククス」とギョウザ「マンドゥ」の専門店「兄弟カルククス」が、名古屋駅前の繁華街・名駅4丁目に今年5月オープンした。すっきりとしたおしゃれな外観で、近隣で働く人や買い物帰りの人たちに話題の韓国料理店となっている。食の世界で日本に浸透し、広がりをみせている韓国料理。お隣の国で庶民の味であるカルククスが、幅広い年代の女性客に人気が高まっている。
●モチモチ麺&だしの効いたスープ
カルククスとは日本でいううどん料理。韓国語で、カルは包丁、ククスは麺を意味する。本場韓国では、カルククス専門店や屋台などがあり、「韓国の国民食といえる麺料理。カルククスと蒸しギョウザのマンドゥは定番のセットメニューで、カルククスにマンドゥを入れて食べる人もいます」(代表取締役ペ・ヨンボさん)。
「兄弟カルククス」は、東京・横浜でオーガニック・コリアンレストランを3店展開している会社の系列店。今回は、名古屋で「カルククスを韓国料理の次のトレンドにしたい」と専門店を出した。
ソウルには、毎日食事どきになると長蛇の列ができる老舗のカルククス専門店がある。ペさんは、多くの日本人観光客も並んでいる様子を何度も見て、「以前は、きっと誰かが日本でやるんだろうなと思っていました」と語る。
地方によってうどんのスープや麺に違いがあるのは、日本も韓国も同じ。ペさんは、韓国に何度も足を運び、カルククスを食べ歩いた。たどり着いたのが、独特のモチモチした弾力感のある麺と、だしの効いたスープ。2種類あるカルククスの「胡麻カルククス」(850円)は、釜山(プサン)にある人気店を参考したうま味がありつつあっさりした魚介スープにした。一方の「鶏カルククス」(同)は、ソウルの名店をヒントにして鶏だしをつかったまろやかでやさしい味わいになっている。
お薦めの食べ方は、まずはそのまま食べる。その後、添えのキムチをスープに入れ、さらに、すりごま、タデギ(唐辛子ペースト)を加えていく。キムチやタデギは手作りしており、キムチは、酸味をおさえたしっかりとした辛さの浅漬けタイプで、タテギは、生唐辛子をメーンにした甘味のある辛さ。好みの辛さにして楽しむことができる仕組みだ。
同店では、カルククスやマンドゥの他に、チャプチェや地鶏をこんがり焼いた激辛料理のチーズブルダックなどを揃えている。「カルククスを韓国料理の新たなトレンドにしながら、しっかりと根付かせていきたいですね」とペさんは展望を語る。
●店舗情報
「兄弟カルククス」 店舗所在地=愛知県名古屋市中村区名駅4-4-21/経営=(株)ピープル&テクニクス/開業=2012年5月/営業時間=午前11時半~午後3時、5時半~翌午前0時(土・午前11時半~翌午前0時、日・~午後10時)、無休/坪数・席数=45坪・64席/客単価=昼900円、夜2000円
●愛用資材・食材
「コチュカル」
ガツンと辛い韓国の唐辛子
コチュカルとは、唐辛子の一種。唐辛子にも辛さはいろいろあるが、辛い部類に入り、直接、韓国で買いつけている商品である。カルククスについてくるキムチや、辛さを追加したいときにトッピングするタテギには、生唐辛子を使用。同店で一番辛い料理「チーズブルダック」に使用しているのが、コチュカルだ。コチュカルをソースにまぜて炒めると、調理中は目が痛くなるほど。求める味わいによって、唐辛子の種類を使い分ける同店のこだわりである。