2024年4月度、外食動向調査 フードコンサルティング

2024.07.01 545号 05面

 ●29ヵ月連続前年比増収も回復陰り

 日本フードサービス協会が発表した外食産業市場動向調査によると、2024年4月度売上げは、前年同月比106%となり29ヵ月連続の増加を記録した。昨年と比べ休日が1日少なかったが、桜の開花による花見需要や職場の歓送迎会シーズンもあり、客数が前年同月比3.0%増、客単価も2.9%増となり好調な結果となった。

 個別に見ると、前年比を下回った業態は、3月の5業態から22業態まで急増したことに加え、前年比マイナス5%を超える落ち込みとなったのが7業態発生しており、コロナ明けと言われた昨年4月と比べると、業績回復の勢いにやや陰りが見えてきていることが確認できる。

 ●出店検討したい都内再開発エリア

 東京都内を回っていると、至る所でビルの工事現場を目にする。特に2015年以降に急増しており、コロナ期間中は一時中断していた現場も、2022年以降は一気に工事再開となっている。

 都内の再開発計画には、主にオフィス棟を中心として、低層階に店舗、高層階にはホテルが併設された複合ビルタイプと、主に居住棟を中心に、低層階にスーパーやクリニックなど生活関連の店舗が入るタワマンタイプの再開発が行われている。

 飲食店にとっては、後者のタワマン型の再開発エリアへの出店が、今後の成長可能性につながるのではなかろうか。

 最近はいろいろと批判的に言われているタワマンではあるが、外食ビジネスの視点で見ると、従来は古く低層のオフィスや戸建て住居が数件存在していたエリアに、いきなり1000人近い居住者を抱える建物が建ち、かつ居住者の所得も高めとなれば、飲食店にとってメリットしかないであろう。

 そこで今回は、都内において居住棟が中心となって再開発が進むエリアを見てみたい。

 (1)晴海エリア

 最近は入居が進まないことが話題の大規模マンション「晴海フラッグ」を擁するエリアだが、今年「東京BRT」が開業したこともあり交通便の改善が進みつつあるため、今後は入居者の増加が見込め、かつ現在は飲食店も少ないエリアなので、早めの検討はあり。

 (2)月島エリア

 月島三丁目の南エリアには48階建て、北エリアには58階建ての高層タワマンがそれぞれ2026年~2028年にかけて竣工予定。月島エリアは、「もんじゃの町」としてインバウンド含め観光客でにぎわっているが、今後はタワマン居住者による多様な飲食ニーズが一気に増えることが予想される。

 (3)小岩エリア

 東京の端の江戸川区だが、明治時代に開業した小岩駅を中心に北側、南側とも30階建てのタワマンが、2030年までに合計7棟建設予定となっている。さらに東京都が進める再開発計画では、駅前に続く周辺エリアで最大50haの再開発が計画されている。この50haは、築地市場跡の23haの倍以上の規模であり、現時点では都内最大級の再開発エリアだ。

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