トピックス:体育会系の中年男性過信は禁物 健康危うし、早大教授が調査
大学の体育会出身者というと、強健な人というイメージがあるが、「体育会出身の中年男性は、非体育会であった人より腎臓・肝臓・糖尿病にかかった人が多い傾向にある」と、早稲田大学人間科学部の町田和彦教授(公衆衛生学)はこのほど、福島市で開催された日本体力医学会で発表した。同氏は「今回の発表は中間発表であり、今後例数を増やすと多少変わる可能性がある」としながらも、「飲酒量は体育会出身者の方が明らかに多く、味が濃いものを好む傾向にあるからでは」と分析している。
調査は町田教授らが、平成3年から昨年にかけて、同大卒業の四七~五九歳の男性を対象に“大学時代の運動と中年期のライフスタイルと健康”を目的にアンケート調査を行い、七三四人(うち体育会出身者五〇四人)から回答が得られた。
町田教授は、「本来運動している人は循環機能がよいとされているが、この調査をみるかぎり、体育会出身者はそれが顕著ではなかったばかりでなく、肺機能と胃腸の機能以外の多くの成人病(特に肝臓・腎臓)で、非体育会出身者より悪い憤向を示した。
現時点で原因を特定することは難しいが、今回の調査でみるかぎり、大学時代の激しい運動による臓器の損傷、急激な運動の低下による代謝の変化、深酒の習慣、食習慣などの影響が考えられる」という。
心身を鍛え抜いたことに自信を持つのはよいとしても、過信は禁物。年とともに自分にあったライフスタイルをつくって行くことが必要だ。