業界TOPICS:「峠の釜めし」が秘伝の手法を生かしたおにぎり専門店オープン

2024.12.02 550号 12面
13~15種の具材を揃えており、茶めしおにぎりは約8割。おにぎり1個120g前後(編集部実測)と食べやすいサイズのため、あれこれ楽しめる。日販300~500個

13~15種の具材を揃えており、茶めしおにぎりは約8割。おにぎり1個120g前後(編集部実測)と食べやすいサイズのため、あれこれ楽しめる。日販300~500個

一番人気の「炙り鮭」。日販は60個から多い日で100個を売り上げる

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おにぎりの中にも具材が入っていて、ご飯とのバランスがよく満足度が高い。写真は「旨辛めんたい」

おにぎりの中にも具材が入っていて、ご飯とのバランスがよく満足度が高い。写真は「旨辛めんたい」

めめセット 580円(税込み) 茶めし、信州味噌の焼きおにぎりに、唐揚げ、卵焼き、たくあん、あんずが付いた、「峠の釜めし」荻野屋の底力がうかがえるセット

めめセット 580円(税込み) 茶めし、信州味噌の焼きおにぎりに、唐揚げ、卵焼き、たくあん、あんずが付いた、「峠の釜めし」荻野屋の底力がうかがえるセット

 創業139年の歴史を持ち「峠の釜めし」で知られる荻野屋が、急拡大しているおにぎり専門業態に参入した。8月にオープンした「おこめ茶屋 米米-めめ-」は、荻野屋が手掛けるおにぎり専門店。明治18年に販売開始したおにぎりの駅弁が原点という歴史から、同社はお米をおいしく食べるおにぎりに改めて取り組むことにした。昨今、おにぎり専門店が急増しているが、同店の何よりの強みは「峠の釜めし」のノウハウだ。これほど長く日本人に愛されてきた「峠の釜めし」には、やはり駅弁として完成されたチカラがある。作りたてから時間が経ってもなおおいしい商品作りという点では、弁当屋の技術力が大きく物を言う。

 同店のおにぎりは「茶めし」が主流で、「冷めてもおいしいおにぎり」を目指したという。「峠の釜めし」に使われている茶めしと同じ調味で、店の釜で炊いているのだが、時間が経って冷めると味がしっとりと染みてうまみがご飯になじみ、炊きたてとはまた別種のおいしさが増す。また、「峠の釜めし」ファンなら誰もが実感している通り、同品の大きな魅力の一つはご飯が進む多彩な具材のバランス感。このセンスを生かした具材のチョイスや、ご飯を最後までおいしく食べられる具材の分量バランスがまさに絶妙だ。「駅弁屋が作る冷めたおにぎり」には、その場で握る高級おにぎり専門店の出来たての味わいとはまた違った魅力がある。「峠の釜めし」という揺るぎないブランド力を強みに持つ同店の今後の展開には、要注目だ。

 ●店舗情報

 「おこめ茶屋 米米-めめ-」

 経営=荻野屋 店舗所在地=東京都渋谷区笹塚1-56-18 京王クラウン街笹塚内

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