メニュートレンド:いろんな唐揚げが楽しい!専門店の価値生む部位のバラエティー

2025.07.07 557号 02面
鶏肉全種盛り 2,580円(税込み) 上段左から、鶏レバー甘辛煮、鶏皮ポン酢、にんにくザンギ(にんにく風味)、ふりそでザンギ、中段左から、ももザンギ(しょうが)、むねザンギ(にんにくペッパー)、手羽先ザンギ(しょうが風味)、下段左からせせりザンギ、ヤゲン軟骨(素揚げ)、手羽中ザンギ、鶏モツ素揚げ串、の11種類

鶏肉全種盛り 2,580円(税込み) 上段左から、鶏レバー甘辛煮、鶏皮ポン酢、にんにくザンギ(にんにく風味)、ふりそでザンギ、中段左から、ももザンギ(しょうが)、むねザンギ(にんにくペッパー)、手羽先ザンギ(しょうが風味)、下段左からせせりザンギ、ヤゲン軟骨(素揚げ)、手羽中ザンギ、鶏モツ素揚げ串、の11種類

油温は180℃に設定。衣は薄めで、バリッとした軽快な歯応えがクセになる

油温は180℃に設定。衣は薄めで、バリッとした軽快な歯応えがクセになる

1号店の五反田店は、最寄り駅から徒歩5分ほどの駅前繁華街を抜けたオフィス街に店を構える

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【愛用食材・資材】「業務用 追いがつおつゆの素」Mizkan(愛知県半田市)

【愛用食材・資材】「業務用 追いがつおつゆの素」Mizkan(愛知県半田市)

 日本で最も普及している揚げ物料理といえば「とりから(鶏の唐揚げ)」だろう。だが、味付けこそ各地で独自の文化を形成しているものの、部位の多様性にフォーカスしたメニューは皆無だった。この“ありそうでなかった”提供法に着目し、揚げ物料理を刷新したのが、ザンギ専門の居酒屋「なるとキッチン」だ。

 ●進化続けて3代目

 同店の発祥は昭和30年代に北海道・小樽で開業したザンギ専門店「若鶏時代なると」。丸体の若鶏を半分に割って豪快に揚げた「半身揚げ」が大ヒットとなり、小樽のソウルフードと呼ばれるまでに広まった。半世紀の時を経て、創業者の孫である佐藤友昭氏(現・総料理長)がこの食文化を全国に広めるべく、全国各地で催事出店を行った後に2017年に東京に進出した。

 「東京に進出するにあたり、半身揚げの他にキラーコンテンツを作ろうと考えたのが、鶏肉全種盛りでした」と、中西貴昭社長は開発の経緯を語る。

 ただ大皿に盛り合わせるだけではなく、60×45cmと巨大サイズの板を使って部位ごとに丁寧に配置。味付けも鶏もも肉はショウガ醤油、手羽先はニンニク・コショウといった具合に変化をつけて、部位ごとの味わいを引き立てる。こうした品質重視の提案が受け、グループ客の半数近くが同品を注文する、第二の看板商品へと昇華した。

 揚げたての提供にもこだわる。もも肉が8分、ヤゲン軟骨が2分と、部位ごとに異なる揚げ時間を、仕上がりのタイミングから逆算して揚げている。また、味を染み込ませる部位はセントラルキッチンで一括仕込みをする一方、鳥皮やせせりなど軽い食感が適した部位は注文ごとに衣を付けるところから店内調理するといった具合に、部位ごとの特徴を最大限に引き出す。

 商品化から8年が経つが内容は適宜変更し、現在で3代目。「私は毎日のように各店の料理を食べているが、年齢を重ねて揚げ物だけだと重たく感じるようになってきた」と中西社長。主客層が同世代の40~50代であることから、近年は「鶏レバーの甘辛煮」などザンギ以外の品も織り交ぜるようになったという。

 フランチャイズ展開を進めて居酒屋、デリバリー店合わせ26店舗を展開。今年は海外1号店をベトナムにオープン。小樽スタイルの揚げ物文化が、いよいよ世界を目指す。

 ●店舗情報

 「小樽名物 若鶏半身揚げとザンギ なるとキッチン 五反田店」

 経営=idfood/店舗所在地=東京都品川区西五反田2-26-4 桔梗ビル1階/開業=2017年5月/坪数・席数=17坪・35席/営業時間=11時30分~15時、17時~23時、土日祝16時~23時。無休/平均客単価=昼1000円、夜4000円

 ●愛用食材

 「業務用 追いがつおつゆの素」Mizkan(愛知県半田市)

 絹ぶし製法で、だし感を増強

 同店では「味付け玉子」(税込み350円)、「長芋の醤油漬け」(同480円)に使用。これ一本でだしの風味が利いた甘辛味に仕上がる。鰹節をマイクロレベルまで細かく粉砕する「絹ぶし製法」を採用し、だしのうまみと香りを際立たせた。

 規格=1.8L

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