アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:今春夏のヒット商品ランキング
●意外に売れたシャツにジャケット
繊研新聞社では半期ごとに、ヒット商品のランキングを掲載しています。レディス、メンズ分野をそれぞれ振り返って、まとめるものです。それによると、今春夏のレディス市場では、シャツやカーディガン、半袖のジャケットなどの“羽織り物”が全般的によく売れたことがわかります。
しばらく暑い中で過ごしているため、少し意外な気もしますが、春先は全国的に気温が低く、夏物が本格的に動き出したのは6月以降です。このため、気温によって調節しやすい羽織り物が重宝されたようです。加えて、ファッショントレンドの変化も特徴的です。これまでは1枚で様になるドレスの人気が高かったのですが、その動きが鈍化し、着回ししやすいセットアップに支持が集まり、ランキングの順位も1位になったのです。
セットアップとは、同じ素材の上下セットを指しますが、単品で着ることも想定している点で、常に上下セットで着るスーツとは異なります。今回1位になったセットアップは、ハレの場に着るようなジャケットだけでなく、コットンシャツやサマーニットなど、リラックスして着られる提案が目立ちました。組み合わせるボトムも、ウエストゴムのパンツなど気取りのないカジュアルなものが、この春夏らしさを表しています。
(繊研新聞社 取締役編集局長 若狭純子)