百花繚乱!立ち食いそば:「弥生軒」から揚げそば

2004.11.01 293号 21面

鉄道ファンの間で語り継がれる、駅の構内にある立ち食いそば。音威子府駅、姫路駅、鳥栖駅、首都圏だと品川駅や武蔵浦和駅などの立ち食いそばが有名だが、その中でも、特異な話題性と人気のボリュームメニューを併せ持つ名店が、常磐線は我孫子駅の構内にある。

駅構内で六〇年以上。ホームでの手売りで弁当を売っていた時代、かの山下清画伯が働いていたことでも有名な、老舗の「弥生軒」だ。

鉄道の高速化、窓が開かない、停車時間が短いなどの事情によって弁当事業を縮小し、三〇年ほど前から始めた立ち食いそばが地元名物として根付いている。

その名物そばが、「から揚げそば」(三八〇円)だ。“げんこつ”ともいわれる、ごろんとした特大の唐揚げが二つ。天ぷらとは違い、そばつゆを吸ってもなおカリッとした衣が特徴。鶏肉の味わいがしっかり残り、心も胃袋も満たしてくれる。

そば・うどん、天ぷらなどの食材・調理は、駅近隣のセントラルキッチンで管理。鮮度第一をモットーに、こまめに少量ずつ各店舗に配送している。つねに出来たてと柔らかなおいしさを提供するポイントだ。

帰宅の高校生、サラリーマンをメーン客層としながら、男女問わず客足は絶えない。

◆「弥生軒」(事務所=千葉県我孫子市本町二‐四‐三)営業時間=午前7時~午後11時、無休

◆青木剛理=立ち食いそばの発展・認知高揚を目的に、ホームページ「立ち食いそば紀行」(首都圏の立ち食いそば店ランキングなど/http://www.gori.sh//)を主催運営。当連載は約六〇〇軒強の食べ歩き実績から超必見店を紹介。

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