業務用加工食品ヒット賞・中華:完熟マンゴーのデザート(ニチロ)

2005.09.05 305号 10面

■中華部門 「完熟マンゴーのデザート」 (株)ニチロ

◆一歩先の開発と高品質

量販店売場でも定着した感のあるマンゴーだが、(株)ニチロはその冷食デザートを他に先駆けて開発した。ブーム前の2002年春に「完熟マンゴーのデザート」を発売し、現在ではデザート単品の売上げNo.1商品に成長。これまで売上げは年間3割増を続けてきたという。マンゴーの輸入量は近年急増し、04年は1万2000t超と過去最高を記録した。各メーカーが商品開発に力を入れ始めたのがその1年前。ニチロは一歩先の開発と高い品質によって商戦をリードしている。

現在、生産は02年末設立の冷食デザートの製造子会社サングルメ(鳥取県)。和菓子など包あん商品やタルトなどの焼き菓子、果実などを使った多様なアイテムを生産する小回りの良さが特徴。機械では困難な工程も多く、手作業の比率が高い。特定ユーザーへのニーズ対応力にも優れている。ニチロは高付加価値を強みとする業務用デザートを志向し、03年の本格参入以降、着実に売上げを伸ばしている。なかでも手間のかかる本物志向のアイテムとして、季節感のあるシリーズ品「四季の葛まんじゅう」は主力商品。

「完熟マンゴーのデザート」もそうした付加価値の高いデザートをイメージして開発された。葛まんじゅう、水ようかんなどの和の流れから洋へ、商品構成を充実させる意図もあった。高級志向の果実を検討した結果、当時少しずつ人気が出ていたマンゴーに着目。さらに品種にもこだわり、“マンゴーの王様”と呼ばれるアルフォンソ種(インド産)を選び出した。高質品種を特定して使うことによりコスト高となるものの、若干高めの価格設定でも需要はあると判断した。果肉は手作業で丁寧に充てんする半自動生産で、マンゴーの含有率は50%近い。口どけの良さとふるふるとしたソフトな食感を与えている。容器はマンゴーをハーフカットしたイメージの専用容器を開発した。

販路は外食ルートが主力。レストラン、喫茶店、ホテル、居酒屋、回転ずしと幅広く採用されている。小口ユーザーに強い傾向。用途でも中華、洋風、和風のいずれにも使える汎用性が魅力。初夏イメージのマンゴーだが、デザートとしては通年商材として利用されていることが多い。

姉妹品として、昨春発売の「赤メロンのデザート」に続き今秋には中華デザートの人気アイテム「杏仁豆腐」を新発売。赤坂璃宮・譚総料理長の監修。「完熟マンゴーのデザート」と同型容器のため3品組み合わせて宴会料理などに色鮮やかな演出ができる。

◆規格・入数=480g(8個)・8トレー×2合

◆完熟マンゴーの杏仁デザート

作り方/(1)「完熟マンゴーのデザート」はトレーのまま解凍する。(2)器に杏仁ゼリーを盛り、「完熟マンゴーのデザート」をのせ、シロップを流し入れる。

◆完熟マンゴーのデザートキウイソース

作り方/(1)「完熟マンゴーのデザート」はトレーのまま解凍する。(2)器にキウイのピューレーをしき、「完熟マンゴーのデザート」をのせ、イチゴ、ミントを添える。

◆完熟マンゴーとタピオカミルクのデザート

作り方/(1)「完熟マンゴーのデザート」はトレーのまま解凍する。(2)器にタピオカ入りココナツミルクを流し入れ、「完熟マンゴーのデザート」を入れる。

◆完熟マンゴーとトロピカルフルーツのスープ

作り方/(1)「完熟マンゴーのデザート」はトレーのまま解凍する。(2)キウイ、イチゴ、バナナをカットする。(3)皿に(1)と(2)を盛り、フルーツソースを流し入れる。

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