山崎製パン、焼きたてパン販売システムの省スペース型拡充へ
山崎製パン(株)(東京都千代田区、電話03・3864・3123)は、省スペース型焼きたてパンシステム(CEBS=コンパクト・エフィシェント・ベーカリー・システム)をCVS、SMの小売業だけでなく病院、大学、パチンコ店、高速道路パーキングエリアなども加え、年間100店ペースで開店していく。
CEBSは厨房・販売スペースが標準的な設置面積の3分の1、初期投資・運営費が約半分に抑えられる焼きたてパン販売システム。冷凍パン生地の解凍から焼成は、時間設定すれば自動なので、早朝勤務やベテラン従業員でなくてもこなせる。損益分岐点は月商100万円。省スペース・低コスト化で、同社の7年前比で損益分岐点は5分の1になったという。
冷凍パン生地の解凍・発酵・焼成機器(タニコー(株))、フライヤー(同)、2温度帯オープンショーケース(福島工業(株))は、給水・排水や換気などの工事不要で設置できる。
解凍・発酵・焼成機は小型化で焼成回数が1日3~4回に増えたことで、売れ行きに合わせて焼きたてが売場に並ぶ。2温度帯オープンショーケースは温度・湿度の自動制御でパンの乾燥を防ぎ、エアカーテンで埃(ほこり)や虫が入りにくい設計。これにより「焼きたてパンの通常の賞味期限は2時間だが、6時間たってもおいしく食べられる」(ストアベーカリー事業部)。
フライヤーは油が沸点360度Cを超えると油煙が出るため、IH加熱で常に360度C以下に制御できるようにした。油煙が出ないため換気設備が不要になり、工事費が抑えられる。
店舗形態は立地や店舗面積に応じて0・4坪、1・8坪、2・5坪、カフェ&ベーカリーの4タイプ。カフェ&ベーカリーは、カフェ部門を東日本地区はキーコーヒー、西日本地区はUCC上島珈琲とタイアップしている。
グループのCVSチェーン・デイリーヤマザキを中心にCVS約250店、2年前から開発を始めた病院は約20ヵ所にCEBSを導入している。低投資でアルバイトでも運営できるため、パチンコ店やボウリング場、観光地の売店など、ニューマーケットに出店機会が広がっている。